新型でも登場はあるのか?『アルトワークス』とその源流たち【懐かしのカーカタログ】

スズキ アルトワークス・初代(1987年)
  • スズキ アルトワークス・初代(1987年)
  • スズキ アルトターボ・初代(1985年)
  • スズキ アルトツインカム(1986年)
  • スズキ アルトツインカム(1986年)
  • スズキ アルトワークス・初代(1987年)
  • スズキ アルトワークス・初代(1987年)
  • スズキ アルトワークス 2代目(1988年)
  • スズキ アルトワークス 2代目(1988年)

先頃9代目に進化したばかりだが、『アルト』といえばやはり「ワークス」の存在が忘れられない。果たして新型でも登場はあるのか? 今回は歴代モデルの足跡を振り返ってみたい。

ターボ・初代(1985年)

スズキ アルトターボ・初代(1985年)スズキ アルトターボ・初代(1985年)

ワークスのいわば源流にあたるのが、この「ターボ」。84年にフルモデルチェンジを受け2代目に進化した『アルト』に、男性ユーザーを意識したモデルとして登場した。当時のカタログには「リトルダイナマイト。クラス初、EPIインタークーラーターボ登場。」と謳われていて、直径36mm、常用回転数19万回転の超小型ターボチャージャー、アルミ製空冷インタークーラー装着、ウェイストゲートコントロール機構やE.P.I.(電子制御燃料噴射)等、誇らしげにスペックが語られている。4WDも設定。

ツインカム(1986年)

スズキ アルトツインカム(1986年)スズキ アルトツインカム(1986年)

2代目のマイナーチェンジを機に、登場時点で「クラス唯一」を謳いながら追加設定されたのが「ツインカム12RS」。3気筒F5A型543ccをベースに、4輪車では世界初だった12mm径スパークプラグの採用で、バルブ面積56.6%の4バルブとした。カムハウジング別体の凝った造りも特徴。スペックは最高出力42ps/7500rpm(ネット)、最大トルク4.2kg-m/6000rpm。

初代・ワークス(1987年)

スズキ アルトワークス・初代(1987年)スズキ アルトワークス・初代(1987年)

記念すべき初代「ワークス」は’87年の登場。『アルト』の2代目、まだ550cc時代だったが、このモデルでツインカム+ターボ+フルタイム4WDの最強モデル、「RS-R」が登場。最高出力64ps(ネット)/7500rpm、最大トルク7.3kg-m/4000rpm、リッターあたりの出力では117.8psのモンスターマシンとなった。ボンネットのエアスクープは新設されたクラス初の水冷式オイルクーラーのためのもので、油温を10~20度下げる役割を果たし、ターボチャージャーも水冷式を採用している。

2代目・ワークス(1988年)

スズキ アルトワークス 2代目(1988年)スズキ アルトワークス 2代目(1988年)

3代目『アルト』に設定されたワークスは、丸型ヘッドランプなどが与えられ、専用の外観デザインに。インテリアも2ウェイのショルダーサポートや2ウェイドライバーズシートリフター付きシートや、チルト&テレスコピックステアリング、ノンスリップペダルなどが与えられた。エンジンは547ccのままだったが、新たに大型空冷インタークーラーを採用、ターボの最大過給圧は0.9kg/cm2に。エンジン性能はトルクが0.5kg-m高められ、64ps(ネット)/7.8kg-mとなった。

3代目・ワークス(1994年)

スズキ アルトワークス 3代目(1994年)スズキ アルトワークス 3代目(1994年)

この世代からエンジン排気量が660cc化(ツインカム=658cc、SOHC=657cc)。K6A型ツインカムターボエンジンはオールアルミとし軽自動車中で最軽量のツインカムターボであり、シリンダーブロックとスカート部の一体構造、圧入セミウエットライナー、直打式カムの採用を始め、多くの凝った技術が投入された。16ビットコンピューター、最大過給圧1.1kg/cm2の水冷式ターボチャージャー、白金スパークプラグ、4輪ディスクブレーキなども採用。性能は64ps(ネット)/10.5kg-m。SOHCターボ版も用意されたほか、全車にフルタイム4WDとFFが用意された。

4代目・ワークス(1998年)

スズキ アルトワークス 4代目(1998年)スズキ アルトワークス 4代目(1998年)

5世代目『アルト』に設定された4代目ワークスは、丸型ヘッドランプのユニークなマスクが特徴。RS/Zに搭載のDOHC12バルブインタークーラーターボのスペックは、VVTの採用などにより64ps/106N・m(11.0kg-m)に。RS/Zの5速MT車にはトルク感応式のヘリカルLSDを採用したほか、スポーティサスペンション&専用ショックアブソーバー、14インチ55扁平左右非対称パターンタイヤが標準。SOHC版には歴代初の5ドアボディが採用された。

5代目・ワークス(2015年)

スズキ アルトワークス 5代目(2015年)スズキ アルトワークス 5代目(2015年)

『アルト』2世代分のブランクを経て、2015年に8代目『アルト』の「ターボRS」をベースに登場したのが通算5世代目のワークス。専用開発の5速MT、変速時間を最大10%短縮した専用チューンのAGSを採用。エンジンは改良型R06A型で、吸気VVTターボをベースに、64ps/10.2kg-mに性能向上も果たす。サスペンションは専用チューンで、ショックアブソーバーはKYB製、15インチアルミホイールはエンケイ製。2WDとフルタイム4WDが用意された。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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