震災時、路面が荒れ、交通機関が正常に機能しなくなった際に、移動の足として活躍したのがバイクやスクーターだった。そうした経験から、日常の足として使いながらいざと言う時に「使える」モビリティの提案として生まれたひとつがラフロード トリシティだという。

トリシティは前輪を2つ持つスクータータイプのバイクで、安定性の高さが売りのひとつ。そんなトリシティの特性を活かし、ラフロード トリシティでは災害時の荒れた路面でも活躍できるよう、カスタマイズが施された。前2輪のため路面のギャップ吸収性が高いこと、スクーターなので災害路面でもスロットル操作に集中することができること、悪路対応で災害路面でも安定感のある走りができる、などメリットを挙げる。
ベースとなっているのが「トリシティ125/155」で、これに専用のボディカウル、フェンダー、ガードパイプ、アンダーガード、アンチスリップフットボード、大型のリアキャリアなどを装備。車高もアップされている。タイヤは悪路走行を想定したブロックタイヤで、見た目にもワイルドだ。

また「防災コミューター」として警告灯やサイレン、スピーカーも装備。避難指示や緊急出場での活躍も想定している。走破性能を高める、転倒時の車体の保護など、いざという時の機能を追求した数々の装備だが、カスタマイズの一案としても魅力的だ。
このラフロード トリシティ、出展の反響を見て市販化も検討しているとのこと。官公庁などへ防災車両としての導入がメインとなりそうだが、このいざという時にも使えるワイルドなトリシティ、個人の趣味の世界でも活躍してくれそうだ。商品化が待てないライダーは、カスタムの参考にしてみるのもアリかもしれない。
