座席は外を向いて…北海道・釧網本線のSL列車に「たんちょうカー」 2022年1月22日から

C11 171が牽引する『SL冬の湿原号』。客車のリニューアルはシーズンを跨いで行なわれる。
  • C11 171が牽引する『SL冬の湿原号』。客車のリニューアルはシーズンを跨いで行なわれる。
  • 1・5号車「たんちょうカー」の車内イメージ。左手が山側、右手が川側。木材を使用することで暖かみと高級感を感じる室内にまとめ、壁面は雪原に点在する木々をイメージした木目調に。
  • 座席のモケットはエゾシカとタンチョウをあしらったレトロなエンジ系のデザインとされ、抗菌・抗ウイルス生地が使用される。
  • 機器室に隣接する通路の窓を大型化した展望通路も設置する。
  • 機器室に隣接する通路の窓を大型化した展望通路も設置する。
  • リニューアル前(上)とリニューアル後(下)の編成。
  • 「たんちょうカー」のレイアウト。定員は36人。
  • 2号車「ストーブカー」(カフェカー)のリニューアルイメージ。編成中唯一の旧型客車。

JR北海道は10月14日、釧網本線の『SL冬の湿原号』用リニューアル客車の第1弾について、その概要を発表した。

2000年1月に運行が開始された『SL冬の湿原号』は、C11形蒸気機関車171号機(C11 171)が5両の客車を牽き釧路~標茶間で運行されているが、客車については大半を占める14系が古いもので製造から50年近くが経過。1980年から北海道向けの耐寒耐雪タイプに改造され、1981年2月から函館~札幌間の急行「ニセコ」で運用を開始したものの、それからでも40年が経過しており、老朽化が問題となっていた。

そこで、14系客車の発電用に使用されているディーゼルエンジンの換装や台車部品の交換と合わせて内装のリニューアルも行なわれることになり、2022年1月からの運行に際しては、発電エンジン付きのスハフ14形505号(スハフ14 505)とスハフ14形507号(スハフ14 507)が先行して登場することになった。

1号車に連結されるスハフ14 505と5号車に連結されるスハフ14 507は、ともに「たんちょうカー」の愛称が付けられ、釧路川や釧路湿原の眺望を楽しめるように、座席を窓向きとしたカウンター席を川側に設置。山側は高床式のボックス席とされる。

残る2号車スハシ44形1号(スハシ44 1)、3号車のオハ14形526号、4号車のオハ14 519号(オハ14 519)のリニューアルは2023年1月からの運行に合わせて実施される予定で、こちらはダルマストーブが設置されることから「ストーブカー」と命名しノスタルジーを感じる車内とする。

このうち唯一の旧型客車であるカフェカーのスハシ44 1は、リニューアル前のレトロなイメージを保ったまま、内装を改める。

このほかリニューアル車両では1・3・5号車のトイレが洋式化され、大型荷物置き場も設置される。

なお、2022年の『SL冬の湿原号』は1月22日~3月21日に運行され、延べ日数は2021年より12日多い33日間となるが、乗車に必要な指定席料金は従来の840円から1680円に値上げされる。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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