両社は、製品開発協力協定のもと、水素燃料電池自動車向けの燃料電池パワートレインシステムとスケーラブルなモジュール式コンポーネントに取り組むために力を合わせている。トヨタとの協力による燃料電池は、BMWグループが開発した燃料電池スタックやシステム全体とともに、BMW i ハイドロジェンNEXTに搭載される予定だ。
◆SUVのX5をベースにした燃料電池車
BMW iハイドロジェンNEXTは、SUVの『X5』をベースにした燃料電池車だ。BMW i ハイドロジェンNEXTのデザインには、X5をベースにしながら、革新的で持続可能なキャラクターに焦点を当てたアクセントを細部に取り入れる。市販モデルの外観には、BMWの「i Blue」のパターンが添えられる予定だ。アルミホイールも専用デザインとなり、燃料電池車であることを示すという。
BMW iハイドロジェンNEXTの燃料電池システムは、水素と酸素の化学反応によって、最大170hpの電気エネルギーを生み出す。燃料電池の下にレイアウトされる電気コンバーターは、電圧レベルを電動パワートレイン、ブレーキエネルギー、燃料電池からのエネルギーによって供給されるバッテリーの両方の電圧レベルに適合させる。
BMW iハイドロジェンNEXTには、700バールの水素タンク2個が搭載されており、CFRP製のこのタンクには、最大6kgの水素を積むことができる。水素の充填にかかる時間は3~4分だ。BMWグループは、気象条件に関係なく長距離を走行できる、としている。《森脇稔》