ポルシェのEVスポーツ『タイカン』、1000km耐久走行チャレンジで13の新記録

0~100km/h加速4.0秒で最高速250km/h

1回の充電での航続は463km

50年前にポルシェ917が1000kmレースで優勝したことに敬意

1000km走行の過程での充電ストップは6回

ポルシェ・タイカン の1000km耐久走行チャレンジ
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ポルシェは2月3日、初の量産EVスポーツカーの『タイカン』(Porsche Taycan)が、英国の「ブランズハッチ」サーキットにおいて1000kmの耐久走行に挑み、13の新記録を達成した、と発表した。

0~100km/h加速4.0秒で最高速250km/h

記録に挑戦したのは、「タイカン4S」と「ターボS」の2台のタイカンだ。このうち、タイカン4Sには、電気モーターをフロントアクスルとリアアクスルに1基ずつ搭載し、4輪を駆動する。電気モーター、トランスミッション、パルス制御インバーターは、コンパクトなドライブモジュールに一体設計された。

リアアクスルには2速トランスミッションを搭載した。1速は静止状態からの発進時に、鋭い加速を可能にする。ロングレシオの2速は、高い効率と同時に、高いエネルギー残量を追求する。2速は、高速走行時にも適用される。

タイカン4Sには、蓄電容量79.2kWhのシングルデッキの「パフォーマンスバッテリー」が標準装備される。オーバーブースト時の最大出力は530psを発生する。オプションで、「パフォーマンスバッテリープラス」を用意する。バッテリーの蓄電容量は、93.4kWhに引き上げられ、最大出力は571psとなる。どちらの仕様でも、タイカン4Sは0~100km/h加速を4.0秒で駆け抜け、最高速は250km/hに到達する。

1回の充電での航続は463km

1回の充電での航続は、パフォーマンスバッテリーが最大407km、パフォーマンスバッテリープラスが最大463km(どちらもWLTP計測)だ。最大充電出力は、パフォーマンスバッテリーが225kW、パフォーマンスバッテリープラスが270kWだ。

ポルシェ4D シャシーコントロールは、全てのシャシーシステムをリアルタイムで分析し、同期させる。シャシーシステムには、「PASM」(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメントシステム)電子制御ダンパーコントロールを含む3チャンバーテクノロジーを採用したアダプティブエアサスペンションを標準装備した。

また、最上位グレードのターボSは、ローンチコントロールとの組み合わせで、最大761psのオーバーブースト出力を発生する。2021年モデルでは、加速性能が引き上げられた。0~200 km/h加速は9.6秒で駆け抜け、従来よりも0.2秒の短縮を果たす。0~400m加速も10.7秒と、従来の10.8秒に対して、0.1秒速くなった。0~100km/h加速は2.8秒、最高速は260m/hだ。

50年前にポルシェ917が1000kmレースで優勝したことに敬意

このタイカンが、英国のブランズハッチサーキットにおいて1000kmの耐久走行に挑み、13の新記録を達成した。この挑戦はおよそ50年前の1970年4月、ペドロ・ロドリゲスとレオ・キヌーネンの両選手が駆るポルシェ『917』が、雨に濡れた悪コンディションのブランズハッチサーキットで開催された1000kmレースで優勝したことに敬意を示して行われたものだ。

2台のタイカンのドライバーには、ルマン24時間耐久レースで有名なリチャード・アトウッド、元F1ドライバーでポルシェレーサーのジョナサン・パーマー、2020年にポルシェカレラカップGBを制したハリー・キング、2020年のポルシェスプリントチャレンジGBチャンピオンのジェームズ・ドーリンらが起用された。

記録挑戦は7時に開始され、20時に終了した。1970年のレースと同じく、断続的な雨により路面は常にウェット状態だったが、経験豊富な各ドライバーがひとり約90分の走行を2~3回行い、完走を果たした。

1000km走行の過程での充電ストップは6回

その結果、「車両重量1000kg以上のEV」カテゴリーにおいて、タイカン4Sは、スタートから50km、50マイル、100km、500km、500マイル、1000kmを走行した時間の記録と、1時間で走った距離(98.192km)の記録の合計7つの新記録を打ち立てた。

また、同じカテゴリーで、タイカンターボSは、スタートから200km、100マイル、200マイルを走行した時間の記録と、スタートから3時間での走行距離(252.356 km)、6時間での走行距離(450.065km)、12時間での走行距離(915.762 km)の記録の合計6つの新記録を打ち立てた。トータルで13の記録が、モータースポーツUKによって、新記録と公認されている。

なおタイカン4Sは、1000km走行の過程で6回停止し、合計3時間3秒、充電を行った。それぞれの停止時間は平均約30分で、バッテリーは毎回、約5%から85%の容量まで充電された、としている。

《森脇稔》

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