【CEATEC 2019】開幕、超スマート社会「Society5.0」を体感できる

20周年を迎えたことを機に名称を「CEATEC」に変更した
  • 20周年を迎えたことを機に名称を「CEATEC」に変更した
  • ANAはアバターロボット「newme」を活用した新たな取り組みを紹介
  • タブレットからアバターロボットを遠隔操作し、あたかも現場にいるようなリアル感でコミュニケーションが取れる
  • ANAが「アバターロボットの未来」としている二足歩行ロボット。労働の担い手も想定する
  • ANAが出展した遠隔で料理を体験できる「ハンドアバター」
  • 「JapanTaxi」もCEATEC初出展
  • JapanTaxiではドラレコを活用して道沿い情報の収集を活用するプラットフォームを紹介した
  • JapanTaxiが情報収集した例。ガソリンスタンドの料金がデータベースとして残る

IoTを使った超スマート社会「Society5.0」の実現を開催趣旨とした「CEATEC 2019」が15日から4日間にわたり幕張メッセ(千葉市)で開催する。昨年までは名称を「CEATEC JAPAN」としていたが、20周年を迎えたのを機に「CEATEC」へと変更。よりグローバル化を意識した。

主催は情報通信ネットワーク産業協会、情報通信ネットワーク産業協会、コンピュータソフトウェア協会。

CEATEC 2019のイベント規模は昨年よりも拡大され、使用するホールも1つ増えて2~8ホールとなった。主催者によれば出展社数も787社/団体と前年比8.6%増えたという。特にテーマとしている超スマート社会「Society5.0」を前面に打ち出したこともあり、従来のIT・エレクトロニクス関連企業に加えて金融、旅行、住宅、建築、通信といった幅広い分野への出展が増加。海外からの出展者やスタートアップ・大学からの出展にも増えて、海外出展者は24カ国/地域、250社/団体(2018 年は19カ国/地域から 206 社/団体)、スタートアップ/大学研究機関も170社/団体(2018年は162社/団体)に増えている。

企画展示は、サービス産業のフロントランナーを中心とした複数企業による共創型の参画によって展示会場に“2030年のまち”を構築する「Society 5.0 TOWN」と、未来を担う国内外のスタートアップ企業および海外諸機関のパビリオンを複合的に展開する「Co-Creation PARK」の二つに分けられる。

その中で注目なのは会場の中央に配置され「Society 5.0 TOWN」だ。このエリアには、昨年までの「Iot TOWN」に出展した三井住友銀行やJTB、竹中工務店、LIXILといった企業に加え、ANAやJapanTaxi、DeNA、大阪ガス、関西電力、大林組、清水建設、大成建設、Sound UD推進コンソーシアムなどが新たに軒を並べた。

14日のメディアコンベンションで出展内容を披露したひとつがANAだ。アバターロボットを活用し、移動手段や人間拡張手段として用いる未来の暮らし(働き方、教育、家庭、ショッピングなど)を、リアルなアバター体験ともに紹介した。注目は14日に発表されたコミュニケーションロボット「newme(ニューミー)」だ。細長い胴体の上部に10.1型ディスプレイを搭載し、遠隔操作する人の映像を顔の代わりに表示。カメラやマイクを通して遠く離れた場所の様子を確認し、遠隔操作で場所を移動させることもできる。ANAでは2020年4月にサービスを開始し、同年夏頃までには1000体を普及させる計画だ。

ヤマハが中心となって推進している「SoundUD推進コンソーシアム」では、新たにradiko(ラジコ)アプリに実装した新機能「街の情報」の活用例を紹介した。「SoundUD」は電車内や施設内のスピーカーから音声トリガーとなる音響通信信号を発信し、それをスマホのマイクで受信することで、様々な情報がスマホ画面に表示される技術。SoundUDに対応した電車・バス・空港・店舗などのアナウンス音声をラジコアプリで検知すると、運行情報や緊急時の防災情報、クーポンなどを受信することができる。

「JapanTaxi」では、タクシー車両をセンシングとして活用することで様々なデータ収集を行い、それをAIやビッグデータとして蓄積していく「JapanTaxi Data platform」を紹介。まだコンセプトながら既に実証実験も開始し、今後はその対象エリアを拡大していく予定だという。また、JapanTaxiは日本初のタクシー配車アプリを開発したことでも知られるが、このアプリによってタクシー需要の喚起や業界初のタブレットによるタクシーのキャッシュレス化や広告配信などを実用化。これに関するタクシー会社向けのシステムも展示した。

「CEATEC 2019」ではキーノートを毎日実施するのも特徴で、15日のマイクロソフトの20周年記念特別基調講演を皮切りに連日テーマごとに多彩なキーノートが展開される。次世代の通信網である5Gをテーマとしたパネルディスカッションの他、東京モーターショー連動企画も予定。「Society5.0」につながる各社の取り組みを知る貴重な機会ともなりそうだ。

《会田肇》

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