日産4-6月決算、『脱ゴーン』で拡大路線転換[新聞ウォッチ]

日産自動車、2019年度第1四半期決算を発表
  • 日産自動車、2019年度第1四半期決算を発表
  • 北米日産のスマーナ工場

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

「日産営業利益98.5%減、1万2500人削減へ」---。たしか、前日までの新聞記事では、営業利益9割減、人員削減を1万人超と報じていたと思うが、実際問題、ふたを開けてみれば、新聞報道を上回る業績の悪化である。

日産自動車が2019年4~6月期決算を発表したが、売上高が前年同期比12.7%減の2兆3724億円、本業のもうけを示す営業利益が98.5%減の16億円と大幅の減益となった。

三菱自動車の決算の時でも触れたが、営業利益16億円は、前会長のあのカルロス・ゴーン被告の役員報酬額(2017年度=28億円、18年度=16億円)1人分にも満たないほどであり、吹けば飛ぶような情けない本業のもうけである。このため、業績改善に向け2022年度までにグループ全従業員の約1割に当たる1万2500人規模の人員削減を行う。

きょうの各紙は朝日、毎日、日経の3紙が1面トップで大きく報じたほか、各紙とも経済面などで解説記事を詳しく取り上げている。読売は「日産、拡大路線転換、北米事業立て直し方針」とのタイトルで「ゴーン被告の拡大路線を転換し、大規模リストラに踏み切る」としている。

また、朝日は「西川新体制厳しい船出、日産V字回復は見通せず」。さらに、毎日も「『脱ゴーン』難局、拡大路線過剰能力200万台」との見出しで「カリスマ経営者が去った後の新体制は、経営の立て直しに向けて厳しい局面を迎えている」と伝えている。

産経、東京、日経も同様に「業績回復への道筋をつけるのは容易ではない」。このうち、日経の1面の記事の最後には「日産の7倍以上の営業利益を稼ぎ出すトヨタ自動車の豊田章男社長でさえ『ライバルも競争のルールも変わり、生死をかけた闘い』と強い危機感を示す」と締めくくっている。

この章男社長でさえの「さえ」の二文字が気になるが、トヨタの場合はボールペン1本、ペーパーレスによるコピー量の減少など全社を挙げて日々取り組んでいるのに対し、これまでの日産にはトヨタのように地道に積み上げるコスト削減のための努力の姿勢があまりみられない。危機意識の甘さが1万2500人削減という大規模リストラに踏み切らざるを得なかったようだ。

2019年7月26日付

●トヨタ、中国配車大手に出資「滴滴出行」合弁会社設立へ(読売・8面)

●日産営業利益98.5%減、4~6月期、1万2500人削減へ(朝日・1面)

●欧州と米利下げへ、米中摩擦受け先行き不透明感(朝日・7面)

●豊田市(トヨタ自動車)堅守に乱れ,魔の4回痛恨の落球、決勝、千葉市(JFE東日本)初優勝、都市対抗野球(毎日・16面)

●テスラ、2四半期連続赤字(産経・11面)

●トヨタ、EV国内生産本腰へ、22~24年愛知で新型2種(東京・7面)

●タタ自、580億円赤字、4~6月販売不振止まらず(日経・11面)

●家庭の「自家消費」商機、東電や三菱自、EV、蓄電池に利用(日経・14面)

●VWが23%増益、不正関連費用減、4~6月純利益(日経・14面)

《福田俊之》

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