ZF、新型8速ATに電動車向け新技術…EVモードからエンジン駆動への切り替えをスムーズに

ZFの新型8速AT
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ZFは、ドイツで開催した「グローバル・テクノロジー・デイ2019」で初公開した新型8速ATに、電動車向けの新技術を採用した、と発表した。

新しい8速ATに導入されたパーツは、全てハイブリッド用を念頭に設計されている。従来のトランスミッションでは、エンジンが直接駆動するベーンセルポンプと、電気走行時に作動する電動ポンプ、またはパルスメモリー方式と、オイルポンプが2基使用されていた。これが新型では、パワースプリットポンプ1基になる。エンジンが停止している状態では、直結された小型のモーターが作動する。

新しいトランスミッションは、その機構もハイブリッドに適した設計がされている。4つのプラネタリーギアと5つのシフトエレメントは従来通りだが、フリクションパワーの改善により、効率化を向上させた。その結果、エンジン駆動時におけるCO2排出量は、1km走行あたり1g減少し、電気駆動での航続を延ばしている。

また、新しい8速ATは、とくにプレミアムセグメントにおける高い快適性とノイズ低減への要求を満足するため、縦置きトランスミッションとして設計された。信頼性の高い機械的技術の採用により、ハイブリッド走行時にも、高い要求を達成しているという。

さらに、新型8速ATでは、ZFが開発した遠心振り子ダンパーを最適化した。ZFは、EVモードからエンジン駆動への切り替えの際、ドライバーがほとんど気付かないレベルまで振動を抑えた、としている。

《森脇稔》

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