先代トヨタ『スープラ』から17年、BMWとの協業によって新たに生み出された新型は、2019年1番の注目を集めたと言っても過言ではない。新型スープラの開発の舞台裏や兄弟車BMW『Z4』や各グレードの相違点、そして2020年の改良新型についてまとめた。
目次
- 価格は490万円から、17年ぶりに復活
- 「BMWからは、ほぼ何も言われなかった」多田哲哉CEインタビュー[前編]
- 「最短でスープラを出すには、BMWの直6しかなかった」多田哲哉CEインタビュー[後編]
- 【試乗】3グレードに優劣なし!洗練の直6、奥深さならSZか…渡辺陽一郎
- 【試乗】BMW Z4 との違いをサーキットで「ハッキリ」させてみた…桂伸一
- スープラRZ、最高出力387psのエンジン改良モデルを限定発売へ 特別仕様車も設定
- 【試乗】わずか1年で47psアップ、その完成度は圧倒的に高まった…大谷達也
- スープラRZ、2020年モデルは驚きの進化!100台のみの特別仕様をじっくりと[詳細画像]
価格は490万円から、17年ぶりに復活
トヨタは、新型『スープラ』を5月17日より発売した。
新型スープラは、TOYOTA GAZOO Racingが展開するスポーツカーシリーズ「GR」初のグローバルモデルとなり、ユーザーに心から走りを楽しんでもらえるクルマ「GR スープラ」として誕生した。また、新型スープラは、2013年に締結したBMWとの包括提携による初の商品でもあり、生産はオーストリアのマグナ・シュタイヤー社グラーツ工場で行われる。車両は海路で運ばれた後、トヨタ自動車の元町工場を経由して、ユーザーの手に届けられる。
価格は490万円から、17年ぶりに復活 画像
「BMWからは、ほぼ何も言われなかった」多田哲哉CEインタビュー[前編]
トヨタとBMWは2011年、リチウムイオン電池の共同研究などで技術提携。翌12年6月には、電動化や軽量化、スポーツカーへと協力関係を広げることが発表された。そのスポーツカーの協業から生まれたのが新型『スープラ』である。
では、今回のBMWとの協業は、どのように始まり、どう進んだのか? 伊豆の修善寺で開催された新型スープラの試乗会で、多田哲哉チーフエンジニア(CE)からじっくりと話を聞いた。ご存知のように、『86』のCEも務めたエンジニアだ。
「BMWからは、ほぼ何も言われなかった」多田哲哉CEインタビュー[前編] 画像
「最短でスープラを出すには、BMWの直6しかなかった」多田哲哉CEインタビュー[後編]
先代『スープラ』の生産は02年に打ち切られた。復活を期待するファンの心にトヨタ自身が火をつけたのが、07年の『FT-HS』だ。3.5リットルのV6を積むFRハイブリッドスポーツのコンセプト。さらに14年のデトロイトショーでは『FT-1』というスーパースポーツのコンセプトが披露された。
FT-1のパワートレインは一切公表されなかったが、これが16年の東京オートサロンで国内初登場したときには、やはりハイブリッドを予想する声が聞かれたものだ。
「最短でスープラを出すには、BMWの直6しかなかった」多田哲哉CEインタビュー[後編] 画像
【試乗】3グレードに優劣なし!洗練の直6、奥深さならSZか…渡辺陽一郎
最近はスポーツカーの売れ行きが世界的に低調で、新型車の発売も滞りがちだ。それだけにトヨタ『スープラ』の注目度は高い。
グレード構成は、直列4気筒2リットルターボが「SZ」(価格は490万円)と「SZ-R」(590万円)、直列6気筒3リットルターボが「RZ」(690万円)になる。
【試乗】3グレードに優劣なし!洗練の直6、奥深さならSZか…渡辺陽一郎 画像
【試乗】BMW Z4 との違いをサーキットで「ハッキリ」させてみた…桂伸一
『スープラ』のこの骨太感はいままでのトヨタ車にはない感触だ。当然の話しだが、ここがBMWとのコラボの表れである。その兄弟車であるBMW『Z4』とは何が違うのか。そこを探る意味があるのかどうかは別として、気になる事はハッキリさせよう。
と言う事でホームの袖ヶ浦フォレストレースウェイに向かう。量産モデルではドライ路面で初走行になる「スープラRZ」。直6・3リットルターボのパワーとトルクをフルに引き出して駆動輪であるリアタイヤに伝えると、FRならではのさまざまな動きを展開する。サウンドもスープラのほうが軽妙な直6のいななきである。
【試乗】BMW Z4 との違いをサーキットで「ハッキリ」させてみた…桂伸一 画像
トヨタ スープラ 新型(右)とBMW Z4(左)をサーキットで比較試乗!
スープラRZ、最高出力387psのエンジン改良モデルを限定発売へ 特別仕様車も設定
トヨタ自動車は、『スープラ』を一部改良するとともに、特別仕様車「RZホライズンブルーエディション」を設定し、10月頃に発売する。
今回の一部改良では、3.0リットル直6モデル「RZ」の出力を従来比47ps(14%)アップの387psに向上させた。またフロント部にブレースを追加し、ボディ剛性の強化を図るとともに、それに合わせてサスペンションを再チューニング。コーナリング中の安定性を高めた。ボディカラーは27台限定のマットストームグレーメタリックを含む全7色を設定した。
スープラRZ、最高出力387psのエンジン改良モデルを限定発売へ 特別仕様車も設定 画像
【試乗】わずか1年で47psアップ、その完成度は圧倒的に高まった…大谷達也
発売からわずか1年で「RZ」に積まれる3.0リッター直6エンジンの最高出力が実に47psも引き上げられたことは、初期型『スープラ』をすでに手に入れたオーナーの胸をさぞかしざわつかせているはず。
そんな皆さんには残酷かもしれないが、改良型の印象をひとことで申し上げるならば「格段に熟成されてスポーツカーとしての完成度が圧倒的に高まった」となる。
【試乗】わずか1年で47psアップ、その完成度は圧倒的に高まった…大谷達也 画像
スープラRZ、2020年モデルは驚きの進化!100台のみの特別仕様をじっくりと[詳細画像]
先代(A80型)から17年。2019年に販売が開始された新型トヨタ『スープラ』のトップグレード「RZ」に2020年モデルが登場した。登場からわずか1年ながら、エンジンやサスペンションを始め全域に改良が施され、そのパワーは47psものアップとなっている。
改良と同時に100台限定で設定された特別仕様車「RZ ホライズンブルーエディション」を44枚の写真とともに紹介する。