狭い道! 制限1.7mでコンクリートブロック付き、道幅は5mあるけど?…東京都板橋区

狭い道! 制限1.7mの東京都板橋区道
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狭い道の入り口に立つ、通行する車の車幅を制限する交通標識。実はこれ、設置例の少ないレアアイテムなのだ。この珍しい標識がいくつも立っている道が、東京の板橋区にある。しかも道幅は充分にあるというのに。

狭い道というと、いわゆる「酷道」や「険道」のような、自然の地形が厳しい場所の道を思い浮かべる。だが、市街地にも狭い道はいくらでもある。ビジネス街のビルの隙間、商店街や“のんべえ横丁”、住宅地の生活道路。こういった道の全てに車両の最大幅の規制標識が立っているかというと、そうではない。道路延長にたいしての割合だと、かなり珍しい標識だと思われる。

車両の幅は車両法で、道路の幅は建築基準法で、道路を通行できる車両の最大幅は交通法で、それぞれ決められている。そして道路管理者が特に明示する必要を認めたときに、規制標識が設置される。狭いのは見ればわかるでしょ、という場所には設置されない。入れそうなんだけど入ると困るなあ、という場所に設置されるわけだ。

で、板橋区の現場。高架の首都高速5号線の下、側道だ。区道第2692号線(首都高上り方向)の前野町3丁目、4丁目と第2693号線(同下り方向)の泉町と前野町4丁目の、都合4か所に立っている。とくに泉町で区道第2693号線が国道17号中山道から分岐する箇所は、あと○mの予告が立ち並び、壮観だ。

ただ道幅は狭くはない。側道として過不足ないだろう。板橋区の道路台帳で調べても道幅は5mある。ところが現地では、標識に加えて路面に「ハ」の字型のブロックを設置して、物理的に制限している。道幅が狭い警告というより、幅の広い車両の侵入の規制なのだ。

もっともこれだと、タイヤ付近の幅が1.7m以下でも、サイドミラーを立てていたり、積んだ荷物の幅が1.7mを超えていても通過できる。最大幅を1.7m以下に規制するならポールやゲートが必要だ。つまり1.7mという数字は目安で、目的は、道路運送車両法の普通車以上の大型車の進入を防ぐことのようだ。

車幅の規制は道幅によってだけ決められるのではない。道路の通行は、道路法によって、道路管理者が危険を防止するため制限することができる。板橋区では、おそらく区道が首都高の“下道”代りになって、大きな車が住宅街に進入するのを嫌がったのではないだろうか。



狭い道! 制限1.3m、通れる車がなくなった都市計画?…東京都世田谷区
https://response.jp/article/2025/08/15/399636.html

《高木啓》

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