【メルセデスベンツ Aクラスディーゼル 新型試乗】自在で自然な性能を発揮してくれる…島崎七生人

Cクラスのディーゼルを横置き化

軽やかで自然なフィーリング

懐の深さを実感

メルセデスベンツ A200d(Aクラスディーゼル)
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Cクラスのディーゼルを横置き化

発売以来どれだけの人が「ハイ、メルセデス!」と呼びかけたか知らないが、今どきの対話型インフォテインメントシステムMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)をアピールして登場したのが現行の『Aクラス』である。

今回搭載された新型直列4気筒(1950cc、ターボ)クリーンディーゼルは“OM654q”と呼ばれ、『Cクラス』などに搭載のユニットを横置き化したもの。新たにNOxの排出(急激な運転操作時に発生しやすい)を最小化させるために、低圧/高圧両方のEGRの採用や、SCRだけでなく、アンモニアが外気中に放出されるのを防ぐためにASCを追加するなどし、排気ガス処理対策は入念なものとなっている。なおスペックは150ps/32.6kgf・mで、「A180」の7速に対し8速DCTの組み合わせとしている。

軽やかで自然なフィーリング


何はともあれ走らせた印象だが、昨今のディーゼルらしく軽やかで自在な性能を発揮してくれるものに仕上がっている。アイドリング中こそ通風孔(グリル)のある車外正面からは、独特の音が聞こえることは確か。しかし一旦走り出せば、音・振動面でネガに思えることはない。エンジンルームを覗くと、昔のようにカプセル状にエンジン(と音)を封じ込めている風ではないが、音は気にならない。

他方でアクセルレスポンスもかなり自然で、「ダイナミックセレクト」を“SPORT”に切り替えれば活きのいい走りを示すし、反対に“ECO”を選べば、決して非力さはなくゆったりとした加速が得られるなど、走らせ方が選べるのがいい。

同切り替えではステアリングレスポンスと保舵力も切り替わるが、これは郊外などでは“SPORT”の無駄のない感触(切る/戻すが自然)がよかった。

懐の深さを実感


乗り味はサスペンションのストロークもしっかりと取られているため、フラットで快適なもの。走行中に立つロードノイズがやや大きめに感じられたのは、試乗車に装着のタイヤ(ハンコック)の特性と、ディーゼル騒音の車内への侵入の小ささのせいかもしれない。

実はレポーターは“初現行Aクラス”でもあったが、運転ポジションを低く取ればスポーツカー的に楽しめ、アップライトにすれば実用2BOXとして乗れるこのクルマの懐の深さも実感した。後席はやや低めのポジションでシートはクッションがソフト過ぎず、長距離も快適に乗車していられそう。トランクスペースは十分な広さだ。

安全支援、ドライバーの疲労軽減のための各種機能も充実し、実感としてはメルセデスベンツのそれらしく“それぞれの機能が必要に応じしっかり働いてくれる”感じ。ドライバー眼前の液晶メーター&パネルは、実車に乗るまでは「どうなの?」と思っていたが、実車で接すると、見やすく、パネルの縦方向のサイズを低く抑えているため圧迫感がなく、車内までもパソコンの画面を仕事で眺めさせられているような堅苦しさ(せつなさ?)は感じなかった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

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