テスラ モデル3、特徴的なデザイン---広い後席空間は姿勢にやや難

テスラ・モデル3
  • テスラ・モデル3
  • カードキーでドア開閉
  • ドアハンドル
  • テスラ・モデル3
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  • セダンとしてはきわめて広いリアシート
  • グラストップが標準
  • グラストップが標準

EV専業メーカー、テスラジャパンは3日、プレミアムDセグメントセダンEV『モデル3』を日本で初公開した。

展示されていたのは中間グレードのAWD(四輪駆動)型「ロングレンジバッテリー」だが、ボディは基本的に全グレード共通。日本ではまだ型式指定を受けておらず、この車両も左ハンドルであったが、販売されるさいは右ハンドルモデルになるという。

さて、そのモデル3の実物だが、一見すると空気抵抗係数Cd値が0.23ときわめて小さく作られているような印象は受けない。ボディ後方を極端に絞り込んだり、ボンネットやヘッドランプで空気の流れを車体上方に向けるといった、空力処理をこれ見よがしに表に出すような今どきのデザインではなく、とてもシックであった。

それに対し、細部にはテスラ特有の理系的センスが随所に宿っている。ドアサッシュと窓ガラスの段差を詰めるなどフラッシュサーフェイス化が徹底され、フロントバンパー両サイドには、ホイールまわりに風を送って乱流を抑制するためのエアダクトが設置されている。床下はもちろんEVらしくフラット。

インテリアは上位機種の『モデルS』『モデルX』と大幅に異なり、ミニマリズムの権化のごとく何もない。ほぼすべての情報表示、クルマの設定を中央の大型タッチパネルで行うようになっていた。居住空間は全長4.7m級のサルーンのなかでは異例と言えるほどに前後方向の余裕があり、後席の膝下空間の大きさは前輪駆動車のライバルと比べても圧倒的だった。一方、床面は床下にバッテリーを搭載しているため高く、やや足を前に投げ出し気味の着座姿勢になる。

ルーフはグラストップが標準。室内でのお披露目だったため実際に走ったときにどう感じるかは未知数だが、A、B、Cピラー部に左右を結合する構造材が入るだけで、あとはほぼグラスエリアであることから、室内は相当に開放的な雰囲気であろうことは容易に推察できた。

このモデル3、2019年後半の発売前からいろいろな場所でユーザーの目に触れることになるものと思われる。9日にはさっそく東京・青山のテスラショールームで、予約客限定で実車が公開されていた。全国各地に現れたときには、ぜひ自分の目で確かめてみていただきたいところだ。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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