HERE、インクリメントPなど3社との「OneMap Alliance」結成について説明会開催

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HERE Technologiesが開催した「One Map Aliance」の説明会
  • HERE Technologiesが開催した「One Map Aliance」の説明会
  • HERE TechnologiesのAPAC オートモーティブ・セールス副社長 ムーン・J・リー氏。同社の事業概要について説明した
  • 「One Map Aliance」と「OTA」について説明する車載部門担当シニア・バイスプレジデントであるラルフ・ヘルトヴィッヒ氏
  • HEREが想定しているユーザーごとの戦略
  • 日本、韓国、中国の地図会社とのパートナーシップを結び、アライアンスによるHDマップの低コスト化につなげたい考え
  • HERE HD Live Mapによって数々の諸問題が解決へと向かう
  • OTAを使ったアプリケーションの活用で530億ドルもの資金導入が期待できるという

HERE Technologiesは5月22日、パイオニアの子会社であるインクリメントP、中国の北京四維図新科技(NavInfo)、韓国のSK Telecomの3社と協力し、自動運転車の安全かつ効率的な走行に必要な高精度地図を提供することを目的に「OneMap Alliance」を結成したと発表した。

この日、Here Technologiesは都内のホテルでその説明会を開催。来日した車載部門担当シニア・バイスプレジデントであるラルフ・ヘルトヴィッヒ氏、同APAC オートモーティブ・セールス副社長 ムーン・J. リー氏がその詳細について説明を行った。

この中でラルフ・ヘルトヴィッヒ氏は、アライアンス結成の理由について、「世界中の自動車メーカーが自動走行する上で、世界で同じ仕様の高精度地図を提供する必要があった」と話す。HERE Technologiesは、欧州や北米、韓国、シンガポール、アラブ首長国連邦で18年末までに100万平方キロメートル以上の高精度地図「HERE HD Live Map」を整備する予定。しかし、これまでは日本と中国ではカバーできておらず、たとえば欧米の自動車メーカーが自動運転を展開しようと思っても、HDマップもないとなれば自動車メーカーはそのエリア向けに新たな開発が必要になってくる。

今回のアライアンス結成により、これまでHERE Technologiesがカバーできていない日本や中国では、それぞれインクリメントPやNavInfoが地図をHERE Technologiesのフォーマットに合わせて作成することで提供を可能にする。これによって自動車メーカーのコスト削減へとつなげて行きたい考え。

HEREが想定しているユーザーごとの戦略
気になるのは日本の高精度地図を整備するダイナミックマップ基盤(DMP)との関係性だ。HERE Jpanの代表取締役を務める白石美成氏は「DMPにはインクリメントPが関係しており、基盤部分では連携しながらHERE Live Mapを提供していく」とする。そこから新たな戦略的パートナーとしてOneMap Allianceへの参画を希望すれば、Here Technologiesとしては歓迎するとしている。さらに、各地域のHDマップを充実させるため、地域ごとに1社ずつの提携も図っていきたい」(ラルフ氏)とコメントした。

また、HERE Live Mapでは、Over The Air(OTA)による新たな無線技術での地図更新も想定する。ラルム氏は「このOTAではオープンソースアプローチを採用しており、OEM先である自動車メーカーへ提供が可能。この場合、特定のハードウェアに依存することがなく、Wi-Fiや4Gまたは5Gも想定して(自動運転に必要な)大量のデータを送ることも想定している」とする。さらにアプリケーションなど追加していけば、「530億ドルもの価値を生んでいく」(ラルフ氏)とも話した。

《会田肇》

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