【ベントレー コンチネンタルGT 海外試乗】ラグジュアリーGTの究極を再定義した…山崎元裕

コンチネンタルGTは、ベントレーが1998年にドイツのVWグループに収まってから、初の新型車として市場に投じられたモデルで、今回誕生した新作は、2003年発表の初代、2010年発表の第2世代に続くものとなる。

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ベントレー コンチネンタルGT
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ベントレーのラグジュアリーグランドツアラー、『コンチネンタルGT』がニューモデルへと進化した。コンチネンタルGTは、ベントレーが1998年にドイツのVWグループに収まってから、初の新型車として市場に投じられたモデルで、今回誕生した新作は、2003年発表の初代、2010年発表の第2世代に続くものとなる。

前作ではシリーズ途中で、W型12気筒ツインターボモデルに加えて、V型8気筒ツインターボエンジンを搭載するモデルを追加設定。それによって販売台数を飛躍的に向上させたことは記憶に新しいが、第3世代のコンチネンタルGTは、まず伝統の作ともいえるW12モデルから販売が開始される。

◆エクステリア以上に感動させるインテリアの進化

新型コンチネンタルGTでまず注目したいのは、さらにスタイリッシュに、そして機能的なデザインに変貌を遂げたエクステリアとインテリアのフィニッシュだ。2015年に発表されたコンセプトカーの『EXP10 スピード6』にインスピレーションを得たというボディは、フロントアクスルが前作からさらに130mm前方に移動したことで、よりロングノーズのスタイルが強調され、アルミニウム素材を500度にまで加熱して正確に成型する、独自のスーパーフォーミング技術がボディーサイドの全体で採用されたことで、1950年代に誕生した「Rタイプ・コンチネンタル」の姿を彷彿させるダイナミックなリアフェンダーなどを構成するラインもよりシャープになった。

最新のLEDマトリクス技術によるヘッドランプ。テールパイプのデザインとも巧みなマッチングを感じさせる楕円形のテールランプ。スタンダードで21インチ、オプションでは22インチの選択も可能なホイール等々、エクステリアのディテールはさらに魅力的になった。

だがそれ以上に新型コンチネンタルGTのカスタマーを感動させるのは、インテリアのデザインだ。ベントレーのウイングド「B」エンブレムをモチーフとした、センターコンソールを中心に左右のドアまで伸びやかに流れるフェイシアやウッドパネルはもちろんのこと、センターコンソールの上部にはローティングディスプレイと呼ばれる、デジタルディスプレイとアナログディスプレイ、そしてエンジンオフ時にはシンプルなウッドパネルが表れる回転式ディスプレイの装備が可能。デジタルディスプレイでは12.3インチのタッチスクリーンを直感的に操作することが可能で、インターネットへの接続やスマートフォンとの連携など、最新世代のコネクティビティシステムとして十分な機能が備えられている。

ダイヤモンド・イン・ダイヤモンドと呼ばれる新デザインのキルト、あるいはスイス製の最高級自動巻き腕時計の地板から発想されたというパネル装飾、「コート・ド・ジュネーブ」等々、新型コンチネンタルGTではさらに、世界屈指のクラフトマンシップというものを直感させる演出も数多く採用された。キャビンはもちろん前席優先のデザインとなるが、後席まわりのスペースにも十分な余裕がある。グランドツアラーとしての高い機能性とデザイン、そして究極的なラグジュアリーの演出が、新型コンチネンタルGTのキャビンには備わっているのだ。ラゲッジルームには、飛行機の機内持ち込みサイズのスーツケースを2個並べて簡単に積載できるだけの空間を確保。日常的な実用性も想像以上に高い。

◆W12にもスポーツGTとしてのテイストを強く感じる

フロントに搭載される6リットルのW型12気筒ツインターボエンジンは、最高出力&最大トルクで635ps&900Nmのスペックを誇るもの。これにベントレーとしては初となるデュアルクラッチトランスミッションを8速で、そしてこの新型から後輪駆動主体型へと制御が変更された4WDシステムを組み合わせるというのがパワートレーン一式の構成だ。W12エンジンのパワーフィールは素晴らしく、デュアルクラッチミッションも常にスムーズでショックのない制御に終始する。

ドライバーはセンターコンソール上のロータリースイッチで、「B=ベントレー」のほかに、「スポーツ」、「コンフォート」の各ドライブモード、そしてさらに細かくインディビジュアルセッティングを行うことも可能だが、スポーツモードをチョイスしても、新型コンチネンタルGTに装備される3チャンバー式エアサスペンションは、常に上質な乗り心地を演出してくれる。48Vの電装システムを用いたベントレー・ダイナミック・ライドによるロール制御、そして前作からさらに大型化されたブレーキのタッチにも、試乗中は常に好印象を受けた。

これまでW12モデルでは、グランドツーリングとしてのキャラクターが強調されていたコンチネンタルGTだが、新型ではそれに第2世代で誕生したV8モデルにも共通する、スポーツGTとしてのテイストを強く感じるようになったことに驚かされた。その直接の理由となっているのは、前で紹介した後輪駆動主体型の4WDシステムと、前作の最終進化型ともいえるスーパースポーツにも採用されたトルクベクタリングの制御だろう。

タイトなコーナーが連続するような場面でも、新型コンチネンタルGTの動きは実に軽快で、必要時にはコンフォートモードで最大38%、スポーツモードでは18%の駆動力が瞬時に前輪へと供給され、高いトラクション性能を感じさせてくれる。電動パワーアシストステアリングの正確さも高く評価できる部分。それによって新型コンチネンタルGTには、最新の運転支援システムの搭載が実現していることも、見逃すことのできないポイントだ。

333km/hの最高速と、3.7秒の0-100km/h加速を誇る、ベントレーの新型コンチネンタルGT。それはまさに、ラグジュアリーグランドツアラーの究極というものを再定義するモデルだった。

山崎元裕|モーター・ジャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
1963年新潟市生まれ、青山学院大学理工学部機械工学科卒業。少年期にスーパーカーブームの洗礼を受け、大学で機械工学を学ぶことを決意。自動車雑誌編集部を経て、モーター・ジャーナリストとして独立する。現在でも、最も熱くなれるのは、スーパーカー&プレミアムカーの世界。それらのニューモデルが誕生するモーターショーという場所は、必ず自分自身で取材したいという徹底したポリシーを持つ。
《山崎 元裕》

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