【マツダ CX-5 2.5リットルガソリン 試乗】新システム採用で燃費向上に大きな期待…片岡英明

試乗記 国産車

マツダ CX-5 2.5リットルガソリン
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登場から1年1カ月でマツダ『CX-5』は、初めてのマイナーチェンジを行った。ディーゼルターボが進化したが、ガソリンエンジン搭載車にも改良のメスを入れ、走りのポテンシャルと燃費性能をアップしている。

2.0リットル、2.5リットルエンジンともにピストンや排気ポートの形状を見直し、耐ノック性能を向上させることによって燃費改善とトルクアップを図った。また、燃焼室壁面の温度制御を緻密にし、冷寒時の暖気を早めることによって燃費を改善している。より緻密な噴射制御を行うために電子制御燃料噴射装置のインジェクターのノズル部分も変更した。今まで20MPaだったものを30MPaに高圧化し、排ガスのクリーン性能を高めている。

これらの改良に加え、2.5リットルのガソリンエンジンは気筒休止システムも採用し、燃費向上を図った。他のメーカーでは採用例があるが、マツダでは初だ。これはクルージングしているときなど、エンジン負荷が小さい領域では4気筒エンジンの中央にある2気筒のバルブを休ませ、燃費を向上させるものである。バルブの動きを止めるために採用したのがスイッチャブルHLA(ハイドロリック・ラッシュ・アジャスター)だ。ただし、2気筒にすると振動が大きくなり、応答性も悪くなる。そこでマツダはトルクコンバーターに遠心振り子ダンパーを加え、振動を抑えた。



JC08モード燃費は、2WD(FF車)が従来モデルと同じ14.8km/リットルである。4WDは0.4km/リットル悪くなり、14.2km/リットルとなった。燃費向上を謳っているのにおかしい、と思う人もいるだろう。モード燃費は、相次ぐ燃費不正事件を受け、審査が厳しくなったのだ。そこで今回は辛めの表示としたのである。が、改良した個所を見れば分かるように、実際の走行シーンでの実用燃費はよくなった。ちなみに2.0リットルエンジンに気筒休止システムを導入しないのは、実用域のトルクが太い、排気量の大きいエンジンの方が燃費の改善効果が大きいからだ。

論より証拠、横浜の街中を新旧2台で走り比べてドライバビリティや燃費などをチェックしてみることにした。試乗したのは、4WDの25S Lパッケージだ。CX-5には気筒休止システムの作動状況を知らせるランプやディスプレイなどは設けられていない。だから2気筒で走っているのか、4気筒で走っているのかドライバーや同乗者には分からないのである。そこで試乗車には、特別にエンジンの切り替え状況が分かるアプリが追加されていた。一目瞭然で、これは便利だ。量産車にもぜひ、採用してほしい。



気筒休止システムを組み込んだPY-RPS型直列4気筒DOHCエンジンは、従来型より4ps(3kW)/5Nm(0.5kg-m)より性能アップした。最高出力は188ps(138kW)/6000rpm、最大トルクは250Nm(25.5kg-m)/4000rpmである。トランスミッションは6速ATだ。走り出して幹線道路に出るが、まったく4気筒だか2気筒だったか分からなかった。それほど洗練されたドライブフィールだったのである。切り替わるときにわずかに音色が変わる気がするが、神経をとがらせていないと分からなかった。

モニターを見ると、街中でも頻繁に2気筒になっていることが確認できた。走行状況と路面によってはアイドリングのちょっと上の回転域から2気筒を休止する。高速ではアクセルの負荷が少ないと100km/hあたりまで2気筒をキープした。が、高速走行では、ちょっと強めにアクセルを踏み込んだり、勾配があると4気筒に復帰してしまう。走行フィーリングとしては、ハイブリッド車のEV走行を引き出すときに近い感覚だ。丁寧な運転を要求される。得意とするのは、パイパスや郊外の道など、流れのよい一般道だ。頻繁に2気筒になり、流れによっては2気筒を長くキープした。

マツダのエンジニアは5%程度の燃費向上が期待できる、とコメントしている。が、今回の試乗コースでは10%以上の差をつけた。筆者はEVやPHVに乗る機会が多く、普段から燃費にこだわった運転をしている。だが、穏やかなアクセルワークを心がけ、このエンジンの特性を知る運転をすれば、誰でも無理なく5%以上の燃費向上を期待できるだろう。

ハンドリングは、ディーゼルターボより軽やかだ。より軽快感があり、鼻先が軽く感じる。一体感のあるハンドリングで、高速道路のランプ進入やワインディングロードでは身のこなしが軽やかだ。優れたパランス感覚の持ち主で、静粛性とハンドリングはディーゼルターボの一歩上を行く。もちろん、2.0リットルモデルと比べても魅力的だ。派手さはないが、価格も据え置きだから、次の愛車の候補に加えてもいいと思う。個人的には価格的にも魅力が大きい2.5Sプロアクティブに惹かれる。



■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★

片岡英明│モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員
《片岡英明》

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