タイ国民がマイカーのスタンダードとするのがピックアップトラック。その分野で根強い支持を集めているフォードが、中でも人気が高い『レンジャー』の高性能版『レンジャー・ラプター』を2月より販売開始。その姿をバンコクモーターショーのフォード・ブースで披露した。
「RAPTOR」のロゴマークで隠された囲いから現れたのは、ベースのレンジャーをさらにマッシブにしたレンジャーの新たな姿だった。全長5398mm×全幅2180mmの堂々としたボディを持ち、フロントグリルには巨大なブロック体の「FORD」の文字を表現。スチール製フロントバンパーにはエアーカーテンダクトを備えたLEDライトを追加し、フェンダーも大幅にワイド化してグッと迫力をアップ。この姿はまさに「F-150ラプター」の縮小版といった印象だ。
リアに回ると新形状のバンパーに2個の牽引用フックを装備し、リア・フェンダーとテールゲートには「RAPTOR」のロゴもあしらわれていた。
レンジャー・ラプターで注目すべきは、標準車と比べて“オフロードを高速で走る”高い走破性だ。そのために、レンジャー・ラプターではシャシー、ブレーキ、サスペンションの全てが強化されているという。エンジンは2.0リットル直列4気筒ツインターボ・ディーゼルを搭載し、最高出力213psと最大トルク500Nmを発揮。これにF-150ラプターと共通のフォード製10速ATが組み合わされる。
前後トレッドは1710mm。新たなデザインのバンパーとも相まって最低地上高は283mmとなり、アプローチ・アングル32.5度、ランプブレークオーバー・アングル24度、デパーチャー・アングル24度を実現している。
レンジャー・ラプターの価格は169万9000バーツ(日本円換算:約580万円)と、ピックアップの中でもかなりの高級車の部類に入る。生産は、フォード・タイランド・マニュファクチュアリング(FTM)。
フォード・タイランドによれば、同社の2017年総販売台数は5万6156台。タイ自動車市場全体のシェアは6.4%にとどまるが、レンジャーは4万4452台を販売し、さらに8212台を販売したSUVの『エベレスト』を加えると、全体の94%をこの2車種で占める。いかにこの分野での人気が抜きんでいるかがわかるだろう。フォード・タイランドは今回のレンジャー・ラプターの追加により、2018年は約40%の販売増を狙うとしている。