変える必要のない究極のカタチ…開発責任者インタビュー【ホンダ スーパーカブ 新型】

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新型スーパーカブ50/110と開発責任者、亀水二己範さん。
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  • 新型スーパーカブ50
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「ガソリンタンクやエンジン、乗る人間、そういった重たいものを中心に置くという車体構成。『スーパーカブ』には利にかなった乗りやすさ、使いやすさがあり、基本的な乗り味は大きく変わりません」

「(新型を開発する者としては)悔しいところでしたが、スーパーカブは初代から完成されているんです」

報道試乗会での、新型スーパーカブの開発責任者を務めた本田技術研究所 二輪R&Dセンター 主任研究員の亀水二己範(ふみのり)さんの言葉だ。

「変えようとすればするほど、元の基本レイアウトが一番いいことに気付かされた」(亀水さん)

重量物を車体中心付近にほぼ一列に配置したことによる、マスの集中化。前後に17インチタイヤを採用したことによる、安心感のあるハンドリング特性。この2つの特徴の組み合わせが、究極とも言えるスーパーカブの持つ乗りやすさにつながる。

「高さを抑えたエンジンが乗り降りのしやすさをもたらし、レッグシールドが風雨から乗る人の足もとを守り、積載作業のしやすいリアキャリアが使い勝手の良さを生み出しています。新しいスーパーカブでも、これらの基本構成を踏襲した車体パッケージを採用しています」(亀水さん)

1958年8月に初代『スーパーカブC100』を発売して以来、乗り降りしやすい低床バックボーンタイプのフレームや、クラッチ操作を省いた自動遠心式クラッチの採用などで世界中で愛用されているスーパーカブ。

各国で多様化するニーズに合わせて進化を続け、160か国以上で販売してきた。現在では世界15か国16拠点で生産され、10月には累計生産台数が1億台を突破するという偉業を果たしている。

来年60周年を迎えるロングセラーモデルは、人間でいうと還暦。今月発売した新型(50と110がある)は、全面改良されて生まれ変わった。

エンジンはより頑丈に、変速フィールも向上してますます扱いやすい。デザインは丸目ヘッドライトを採用するなど原点回帰を果たした懐かしいスタイル。

新たな歴史は熊本製作所で始まった。ビジネスユースに、ホビーに、亀水さんはさらなる成功を確信している。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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