カワサキとカスタムディレクターたちによる「Z900RSカスタムプロジェクト:Beyond Z」。
「ゼファー」シリーズをまんまZ系に変身させる外装キットなどを開発してきた究極のZレプリカビルダー「ドレミコレクション」の武浩さんは、『Z1』がAMAスーパーバイクを走っていた頃のレーサーを『Z900RS』でつくりあげた。
タンクグラフィックと黒塗りの4本出しマフラーは初期のヨシムラレーサーを彷彿させるが、赤だったラインをライムグリーンにし、オリジナリティを出している。
この時代はまだ集合管がレギュレーションで認められておらず、4本出しだったマフラーを忠実に再現。素材をスチール製にし、当時の柔らかい音質を奏でるようにした。
アンダーチューブに見せかけたエンジンガードを外側に張り出したのは、ボリューム感を持たせて迫力を出すため。エンジンカバーもわざわざカーボン製カバーを重ねて厚みを出している。
足まわりは前後18インチの「モーリスMAG」ホイールに換装。17インチだったのを大径化したのは、見た目のバランスの良さだけでなく、Z1にも通じる落ち着いた乗り味を表現したかったからだ。
外装はゼファー用Z2タイプのテールカウルやサイドカバー、ウインカー、ミラー、テールランプを流用。ヘッドライトもZ1のケースを加工したもので、スチール製のフロントフェンダーなどとともに時代感を合わせている。
全体のシルエットのバランスをとるために、スイングアームは2cmほど短く切り詰めた。Z1レプリカの巨匠が細部にまでトコトンこだった、70年代風ヘリテイジレーサーだ。