ダイハツはGIIAS(インドネシア国際オートショー)2017で『DN F-SEDAN』、『DN MULTISIX』という2台のコンセプトカーを初公開した。いずれもコンパクトクラスにおける、新しい価値観を提案するものだ。2台ともダイハツと、現地法人のアストラ・ダイハツモーターが共同でデザインしたもの。DN F-SEDAN(DN Fセダン)はクーペ風のシルエットを持つAセグメントの小型セダン。現在アストラ・ダイハツのラインナップにセダンは存在せず、これまでなかったカテゴリーの市場可能性を探る目的で提案されたものだと理解できる。Fセダンの車体寸法は全長4200mm、全幅1695mm、全高1430mm。排気量は1.2リットルを想定しているということからは、エントリーモデルとして人気を集めている『AYLA』(アイラ)よりもわずかに上級に位置づけていることを物語る。アイラでも上級グレードでは1.2リットルを搭載するが、販売の中心は1リットルだ。気になるのは、Fセダンは5ドアハッチバックとしてデザインされなから、車名ではセダンだと強調していること。この、いささかちぐはぐにも感じられる設定の背景には、車型ごとに税制が異なるというインドネシア特有の事情がある。インドネシアではセダンはハッチバックよりもフォーマルな存在として扱われ、いわゆる「ぜいたく税」の奢侈税が高い。ハッチバックの税率が10パーセントなのに対してセダンは30パーセントとなっている。この税率の差が、この国ではコンパクトな4ドアセダンをあまり見かけない大きな要因だ。こうなるとFセダンは、ただ「スタイリッシュな小型セダンの提案」というだけではないと考えるのは自然な流れ。ダイハツのスタッフは明言しないため想像でしかないのだが「スタイリッシュかつフォーマルでありながら、ハッチバックに分類される」というキャラクターを狙っているのではないだろうか。いっぽう DN MULTISIX(DNマルチシックス)もまた、従来にないMPVのキャラクターを持つ。全長4310mm、全幅1720mm、全高1695mmという車体寸法は、ベストセラーMPVの『XENIA』(セニア)を上回る。しかしセニアが7人乗りであるのにたいして、マルチシックスは6人乗り。そしてスライド式のセンターコンソールを採用して、ウォークスルーを実現しているというのもセニアに勝る点。インドネシアではMPVがファミリーカーの主流になっているが、そこにコンパクトながらラグジュアリーなモデルを投入したい意向があるようだ。ちなみに2台のコンセプトカーのどちらも「DN」と名乗っているが、この意味は「Daihatsu New」のことだとダイハツの丸谷勝己デザイン部長。そしてグリルやバンパー開口部、前後ランプの形状は、どちらもよく似たものになっている。これが「インドネシアにおける、ダイハツの次世代モデルのスタイリングテーマなのか?」という問いに丸谷部長は答えず、ただ微笑むのみだった。
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