竿燈まつりにあわせ秋田港貨物線に直通…JR東日本、クルーズ船接続列車を試験運行へ

鉄道 企業動向
「クルーズ列車」の運行区間。秋田港に寄港するクルーズ船の客を対象に秋田~秋田港間を走る。
  • 「クルーズ列車」の運行区間。秋田港に寄港するクルーズ船の客を対象に秋田~秋田港間を走る。
  • 竿燈まつりが開催される8月3~6日は多数のクルーズ客船が秋田港に寄港する。写真は8月6日に寄港する「ダイヤモンド・プリンセス」。

秋田県・秋田市・JR東日本秋田支社の3者はこのほど、秋田港に寄港するクルーズ船の乗船客を対象にした「クルーズ列車」のトライアル運行を実施すると発表した。秋田竿燈まつりが開催される8月3~6日の計4日間、秋田~秋田港間の8.9kmで運行。乗船客の下船後のアクセスを確保する。

秋田港はクルーズ船の寄港地となっており、竿燈まつりの期間中は8月3日に「ぱしふぃっくびいなす」(総トン数2万6594トン)、4日に「にっぽん丸」(2万2472トン)、5日に「飛鳥II」(5万142トン)、6日に「ダイヤモンド・プリンセス」(11万5875トン)が、それぞれ寄港する予定だ。秋田県も交流人口の拡大に向け、秋田港をクルーズ拠点と位置付けて周辺のまちづくりを進める事業を実施している。

秋田港で下船した後の交通アクセスは現在、バスやタクシーに依存している。3者は「2次交通の確保が課題となっている秋田港において、クルーズ乗船客の円滑な移動手段を確保、秋田市内、県内全域への誘客拡大により地域経済の活性化を図る」などとし、JR秋田支社が秋田県と秋田市からの要請を受ける形でクルーズ船に接続する列車運行の検討を進めてきた。

トライアル運行の検討案などによると、運行区間は奥羽本線秋田~秋田港間の8.9km。このうち秋田~土崎間はJR東日本が線路施設を保有して旅客列車を毎日運行している。一方、土崎~秋田港間の1.8kmはJR貨物が線路施設を保有。通常は貨物列車しか運転されておらず、JR東日本は期間限定で旅客列車を運転するための許可申請書を国土交通省東北運輸局に提出した。旅客用のホームがない秋田港駅には、着発1番線に乗降用タラップを仮設(2カ所)する。

車両は気動車4両。8月3・4日は秋田港発~秋田行きを朝に1本、秋田発~秋田港行きを夜に1本運行する。5日は昼に秋田港発~秋田行きが1本、夜に秋田発~秋田港行き1本が運行される。10万トン級の「ダイヤモンド・プリンセス」が寄港する6日は、朝に秋田港発~秋田行きを2本、夜に秋田発~秋田港行きを2本運行する。

3者はトライアル運行の実施によって課題を整理し、2018年度以降の本格運行の可能性について検証を行うとしている。

《草町義和》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集