進化する自動運転バス---地域交通の課題解決に向け、運用面、ビジネス面も検証

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ロボットシャトル
  • ロボットシャトル
  • ロボットシャトル室内の様子。椅子6席+立ち乗り6名で12名定員とされている。
  • 車内から乗客が操作できるボタン。上からドア開閉、車いす用スロープ展開、緊急停止ボタン。
  • 車いす用スロープが展開したところ。車体もローダウンし昇降性を向上させている。
  • ビジネス面の検証がスコープに入っている
  • ロードマップには、2019年には公道での無人運転の実証がある。これは遠隔監視・操作を前提としたものだ。
DeNAと横浜市は、「無人運転サービス・AIを用いた地域交通課題解決プロジェクト」を4月24日より開始した。

今後、交通弱者の増加が予測される地域交通の課題を、無人運転などの先端技術を活用して解決することが目的だ。横浜市内で自動運転車を用いたデモンストレーションや実証実験を進め、まずは私有地など限定地域における実用化を目指す。

プロジェクトの立ち上げに際して、記者発表会と、ロボットシャトルの試乗会が横浜市の金沢動物園で開催された。

これまでの実証実験との違い


これまでDeNAは、ロボットシャトルを用いた実証実験を繰り返してきている。千葉市幕張新都心、秋田県仙北氏、神奈川県横須賀市、福岡県福岡市と実績を重ねてきた。今回の取り組みは、これまでの実証実験とはどこが違うのだろうか。DeNA広報部 サービスPRマネージャーの黒田知誠氏に聞いた。「新しい交通サービスを実現するためには、技術があれば可能かというと、そうではありません」。

自動車メーカーが開発を進めている自動運転技術は、移動手段としてはパーソナルモビリティであるが、DeNAが目指す自動運転バスは公共交通である、ということだ。「2020年に向けて、できるだけ多くの人々にサービスを届けるために、無人運転の技術だけではなく、自治体や事業者との連携が欠かせません」。

自治体やバス事業者との連携が不可欠


「もともとDeNAは、自分たちだけで全部できるとは考えていません。自動運転のハードウェア面の技術はもちろん、交通サービスの実現に向けては、運行ルートや運行頻度といった運用面のノウハウ、車両は何台必要なのか、車両のメンテナンスはどうするのか、など、自治体や地域のバス事業者の協力をいただく部分があります」

「これまでの実証実験では、主に自動運転の技術的なフィージビリティを検証してきましたが、サービス提供に向けては、そういった課題の洗い出しが欠かせません。そして、そういったサービスを実現するための要素が整ったとして、さらにビジネスとして成立するかどうか、この点も今後はきちんと検証していきたいと思っています」

自家用車のレベル2と、自動運転バスのレベル4


個人の自由な移動を実現する自家用車、それを自動運転化する技術は、レベル2が市場投入され、高い注目を集めている。一方で、公共交通を担う路線バス、その自動運転化は、低速かつルート固定ではありながら、完全無人運転(レベル4)を前提にしている。さらには運用面、ビジネス面の検証もスコープに入れ、実現に向けて着実に前進している印象を受けた。

低速ではあるが乗り心地がいいロボットシャトル


5分ほどであるが、ロボットシャトルに試乗する機会を得た。金沢動物園内のルートを往復するコースだ。ロボットシャトルは、低速ではあるがギクシャクした動きはなく、加減速やカーブも含め、スムーズに走ることが印象的であった。定員は立ち乗り乗車も含め12名だが、これだけスムーズに走ることができれば、立ち乗りであってもストレスを感じることなく乗車できるはずだ。
《佐藤耕一》

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