【シトロエン C4カクタス 試乗】これぞ本流のシトロエンなのでは?…島崎七生人

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シトロエン C4カクタス
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タイヤが10分の1回転、いや1cmも動かないうちに「なんて癒されるクルマだろう」と思った。ボサノヴァでも聴きながら走ろうものなら、それはもう、雲に乗って走っているかのような極上の夢見心地気分…である。

とにかくいいのは“ほのぼの系”の走りっぷりだ。とくに乗り味は、ルーフが弧を描いていた先代『C4』のベースモデルや、もっと以前の『ZX』といったかつてのコイルバネのシトロエンらしさ、穏やかさを思わせる。小刻みに揺らさず、ゆったりとボディをバウンドさせながらの乗り味は、ベースの『C3』よりホイールベースが130mmも長い恩恵。重さを感じさせる17インチタイヤを実質優先でインチダウンさせたら、さらに快適性がアップし、ステアリングを操舵した際に感じる僅かなクセ(段付き)も解消しそうだ。

エンジンは3気筒の1.2リットル(82ps/12.0kgm)を搭載、5速自動シフトの組み合わせ。正直なところあと少しパワーが欲しいし、自動シフトのリズムも今や鷹揚だ。が、決してニュルでタイムを叩き出すためのクルマではないし、穏やかなキャラクターと乗り味に見合ったパワー感。3気筒ながら、ノイズは音量・音質ともに耳障りではなく、振動のレベルも小さい。

シフト操作は3つの大きなボタンで実行する仕組み。サッパリとシンプルでモダンなインテリアも心地いい系である上、センス、色遣いが大人びている。Aピラーの角度と、レトロかモダンかの違いはあるが、リラックスできる日産『ラシーン』を思い出させる居心地のよさ。

それとシートがいい。膝の後ろから太もも、骨盤、背中、肩にかけて全体を均一にフワリと受け止めてくれる着座感は、(サラッとした表皮の感触とも相俟って)まるで往年の『BX』のシートのよう。後席は頭の横の空間が狭めだが、着座姿勢は自然でレッグルームも広い。トランクも深さ、スペースともに十分だ。

目を惹く外観スタイルは、確かに個性的だ。が、ディテールは凝っているが、シルエットはシンプルで、運転席からエンジンフード(アルミ製だ)が見渡せるなど、デザインが機能を犠牲にしていない。穏やかな走りと独創的スタイル…これぞシトロエンの本流なのでは?と思った。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
《島崎七生人》

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