【オートモーティブワールド2017】イスラエルのベンチャー企業がモビリティに革新を起こす…デロイトトーマツ周磊氏インタビュー

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デロイト トーマツ コンサルティング合同会社の周 磊執行役員
  • デロイト トーマツ コンサルティング合同会社の周 磊執行役員
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  • イスラエルのWaze社が世界展開するアプリ「Waze」(参考画像)
  • Mobileye 衝突防止補助システム(参考画像)
  • 独VWは配車サービスを展開するイスラエルのゲット社に出資を決めている(参考画像)
  • デロイト トーマツ コンサルティング合同会社の周 磊執行役員
自動運転の開発競争が活発化する中、イスラエルのスタートアップ企業に注目が集まっている。デロイト トーマツ コンサルティング合同会社の周 磊執行役員は「彼らが注目されているのは、自動運転やスマートモビリティに対して幅広く対応してきているからだ」と語る。


◆シリコンバレーとの共通点

イスラエルのスタートアップ企業の強さについて周氏は「どんどん新しいものを生み出していくカルチャーが背景にある。そもそも小さな国が世界で存在感を得るには技術以外にない。イスラエルは特に技術志向が強いと感じている」と解説。

具体的には「特にデバイス等ハードウェアに組み込まれるものに強みを持っている。例えばLIDARのスタートアップ企業もある。ナイトビジョンのカメラなど先進技術、OTA技術、サイバーセキュリティ関連も非常に多い。アメリカの企業に買収された企業もあり、その有望度は折り紙つきだ。ひとつひとつはとても小さくても、コアなものを持っており、世界に一歩も二歩も先んじているケースがある。実際、イスラエルには自動運転関連の技術を手がけているスタートアップ企業がたくさんあるが、日本にはそれほどない。そして、そこに競争も生まれる」という。

さらに「アメリカのシリコンバレーとイスラエルは、イノベーションに対するスピリットの面では非常に近いところがある。しかし、シリコンバレーは、自国の巨大なマーケットを背景に、イノベ―ティブ、クリエーティブなものを求めている。一方、イスラエルの場合、自国に十分なマーケットがないので、自然と海外志向になる。こうして、スタートアップ企業が向かう先は、多くの場合アメリカやヨーロッパである。これはイスラエルのスタートアップ企業の立場に立って考えれば、自然の流れ」とも。

イスラエルのスタートアップ企業といえば米グーグル傘下となったナビゲーションアプリのWazeや衝突防止補助システムを手がけるMobileye、eyeSightなどが世界的にも知られているが、周氏は「彼らの技術はトップレベルだが、ビジネスの中心はアメリカとヨーロッパで、日本での成功例はまだまだ少ない」と指摘する。

実際、「彼らは地理的、言語的にも東アジアに対してハードルを感じている」としながらも、「彼らの技術は、まだまだシーズ段階のものが多い。日本の産業ともっと協力して大きなものを造り上げることは、双方にとって非常に良いこと」と周氏は見る。

また、モビリティの分野においては、「モビリティ分野のアプリでイスラエルのスタートアップ企業は世界的な影響を与えている。日本にはそうした世界的な影響力のあるスタートアップ企業は現在のところまだない」と指摘する。こうした日本の状況に対して周氏は「日本のスタートアップ企業に比べてイスラエルのスタートアップ企業の方がより競争が激しい。そういうスピリットを日本に持ち込むことが大事だと思っている」として、イスラエルの競争で磨かれた技術の重要性と、そのモデルを日本に持ち込む可能性を語った。


◆イスラエルとアジアが世界に与えるインパクト

周氏は1月20日に東京ビッグサイトで開催される「第9回オートモーティブワールド」の特別講演「新たな技術の中心地 イスラエル! 有望ベンチャー企業が起こす革新」に登壇し、「Intelligent Mobility 『到来』への潮流」をテーマに解説する。さらにWazeのFej Shmuelevita氏やeyeSight TechnologiesのGideon Shmuel CEO、Mobileye Vison TechnologiesのDavid Oberman氏を交えたパネルディスカッションも行う。

「Waze、eyeSight、Mobileye、いずれも少数精鋭で勝負し、世界にインパクトを与えている。日本はハードウェアの分野で特に世界に評価されている一方、ソフトウェアの分野では世界に対する影響力が強いとはいえない。日本は、海外の良いところ取り入れて、成長してきた歴史がある。イスラエルの良いところはどこにあるかをしっかり認識し、自国の成長につなげることが大事。もちろん日本が彼らに与えられるものもある。ギブアンドテイク、ともに成長すればいい」と周氏は強調する。

また周氏は同イベントの中で1月18日におこなわれる特別講演「アジアの革新的AIが世界へ与えるインパクト」にも登壇。「AIによる“Top Innovator”への跳躍」をテーマに解説するとともに、百度のシニアダイレクターYuanqing Lin氏、Sense Time GroupのLi Xu CEOを交えたパネルディスカッションを行う。

周氏は「AI分野ではアメリカが非常に強いと言われているが、中国でもAIのスタートアップ企業が早いスピードで成長している。特にコンピュータービジョン分野では中国の研究者の数が日本よりも圧倒的に多い。中国の情報産業は産学が一体となって、基礎から応用まで研究に取り組んでおり、大きくレベルを上げている。単にスーパーコンピューターの性能だけの世界ではない。これが重要なポイントだ」と語る。


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《小松哲也》

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