トヨタ自動車の伊地知隆彦副社長は11月8日の決算発表会見で、環境対応車の開発方針について「トヨタの究極のエコカーは燃料電池車(FCV)であり、これは変わっていない」と強調した。
昨日来、同社の電気自動車(EV)の事業化に関する報道があるのに関連して語った。伊地知副社長はFCVの利点について「航続距離や水素の充填時間などがガソリン車とほぼ同じ」と指摘した。
ただ、コストや燃料インフラの整備など普及への課題も多く「そこに至るまでのゼロエミッションではさまざまな選択もある」とした。トヨタはかねて、環境対応技術についてはそれぞれの製品化のタイミングを探りながら、EVも含め、全方位で対応する構えでいる。
伊地知副社長も「フルラインで事業をしているので、エコカーもすべてが開発の対象になっている」と語った。トヨタは2015年10月に公表した長期の環境対応方針で、FCVについては20年にグローバルで年3万台の販売を実現する目標を公表している。