VW『パサートGTEヴァリアント』は、車格こそ違うものの『ゴルフGTE』と同様の1.4リットル直噴ターボTSI+電動モーターというプラグインハイブリッド・システムを搭載している。同じシステムとはいえ、パサートGTEヴァリアントとゴルフGTEの印象は相当に異なる。ゴルフGTEは元気いっぱいのやんちゃなホットハッチだが、パサートGTEヴァリアントは余裕ある大人のハイブリッドであったのだ。ゴルフGTEと同じように、パサートGTEヴァリアントにも、エンジン主体+モーターアシストの「GTEボタン」が備わっているが、ゴルフに対して約200kgも重いパサートでは、“元気いっぱい”というよりも、“余裕ある走り”という表現がしっくりくる。ステーションワゴンであることを考えれば、GTEボタンは高速道路での追い越し加速などでは十分に威力を発揮してくれそうだが、それ意外では、ほとんど必要ないのではとも思う。それよりも330NmものたっぷりとしたトルクのEVモードでの、静かで力強くスムーズな走りこそが、キャラクターに合っているだろう。21.4km/リットルのハイブリッドJC08モード燃費は、ガソリン車よりも若干良いという程度。燃費よりもEV走行の上質な走りを味わうために買い求めるクルマだろう。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★パワーソース:★★★フットワーク:★★★オススメ度:★★★鈴木ケンイチ | モータージャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)新車のレビューからEVなどの最先端技術、開発者インタビュー、ユーザー取材、ドライブ企画まで幅広く行う。特に得意なのは、プロダクツの背景にある作り手の思いを掘り出すインタビュー。