【東京オートサロン16】一貴、可夢偉がスーパーフォーミュラの魅力語る「F1よりやりがいある」

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
横浜ゴムブースで行われたスーパーフォーミュラトークショー
  • 横浜ゴムブースで行われたスーパーフォーミュラトークショー
  • 小林可夢偉
  • 中嶋一貴
  • 横浜ゴムブースで行われたスーパーフォーミュラトークショー
  • 横浜ゴムブースで行われたスーパーフォーミュラトークショー
  • 横浜ゴムブースで行われたスーパーフォーミュラトークショー
  • 昨年11月に鈴鹿で行われたスーパーフォーミュラ メーカーテスト
  • 昨年11月に鈴鹿で行われたスーパーフォーミュラ メーカーテスト

1月15~17日に幕張メッセで開催された「東京オートサロン2016」での横浜ゴムブースで、全日本選手権スーパーフォーミュラに参戦する中嶋一貴と小林可夢偉がトークショーに出演。国内最高峰のフォーミュラカーレースの魅力について語った。

2人ともF1で活躍し、日本を代表するトップドライバーである一貴と可夢偉。トークショーは16日の夕方一度のみの開催だったということで、開演前から横浜ゴムブースは多くのファンで埋め尽くされ、トークショーの間もブース前を通った来場者が足を止めて、彼らの話を聞こうと集まる姿も見られた。

ここ数年は、ドライバーのレベルが高く、使用しているダラーラ『SF14』のパフォーマンスが高く、コーナーではF1を上回ると注目を集め始めているスーパーフォーミュラ。実際、F1参戦経験のある一貴と可夢偉は、それぞれが乗っていた頃のF1マシンと比べると、スーパーフォーミュラの方が断然やりがいがあるという。

まずは2008・2009年とウイリアムズから参戦した一貴は「ストレートスピードの速さとクルマのグリップのバランスは、今のスーパーフォーミュラのクルマと、僕が乗っていた頃のF1が同じレベルにあると思います。もちろん、当時のF1もストレート、コーナーともに速かったですが、そのバランス感覚がすごく近いので、初めてこのSF14で鈴鹿を走った時に、当時F1を乗っていた時のような感覚だなと思うぐらい、近い印象でした」と、マシンパフォーマンスについて比較。最近のF1でも最も速いと言われていた頃のマシンに似ている傾向があるという。

その後の2010年から途中1年のテストドライバー期間はあったものの、ザウバーとケータハムで計4シーズン戦った可夢偉も「僕が乗っていた時のF1はあまり速くなかったので、正直こっち(SF14)の方が速いと思います。特に今のスーパーフォーミュラはコーナーが速いですね。実際にドライブしている時は意外と感じないのですが、後で車載映像とかを見ると”速いな”と実感するくらいです。本当は横に乗せて、こんなに速いんだぞ!というのをやってあげたいくらいです」と、今のマシンを絶賛していた。

また、スーパーフォーミュラはマシンパフォーマンスだけではなく、マシンとタイヤが「ワンメイク」だからこそ、ドライバーにかかる責任感がつよいところも、彼らにとってはやりがいの一つと感じているという。

可夢偉は「ドライバーが本当に楽しみにこのレースを戦っているのを感じています。例えばF1だと、僕の時はトップから最後尾までが約5秒差。ここまで広がると、実質トップ争いをしているのは上位6台ぐらいで、それ他はドライバーの技量で勝つチャンスがないから、優勝をあきらめているところがあるんですよね。でも今考えるとすごく悲しいなと感じます。でも、スーパーフォーミュラはトップ13~14台が1秒以内にいたりするので、チャンスが絶対勝てるとみんな思っています。そういう意味で、ドライバーが頑張りごたえがあるレース。本当にやりがいがあります」とコメント。まだ1年しか参戦していないが、その違いを早くも実感している様子だった。

一方、すでに5シーズン戦い2度のチャンピオンに輝いている一貴は「みんな同じクルマ、同じタイヤを使って、エンジンこそホンダとトヨタで違いはありますが、道具に差がない状態です。だからクルマのセッティングとドライバーの技量と、それだけで結果が決まるレース。結果が良くても悪くても自分に返ってくる、本当に責任感が強いレースです。スーパーフォーミュラは自分が頑張って、良いものを見つけれて、良く走れれば、他人より前にいけるんだというのがスーパーフォーミュラにあって、F1にないものだと思います。F1ではクルマのベースの性能で1秒、2秒の差がつきますが、スーパーフォーミュラではドライバーたちのレベルが高いですから、そんなことは絶対にないです」

「すごく僅差の中で、ほんのちょっとしたことで順位が変わってしまいますし、逆に僅差なのでレース中も順位変動など動きがないときもたまにありますが、そういった緊迫したところも含めてドライバーとして楽しいところですね」と語った。

さらに今年からヨコハマタイヤに変更されることについても、前向きに考えているようで一貴は、「レースを良くしようと積極的になってくれているのを僕たちも感じることが嬉しいです。ヨコハマタイヤさんと一緒にもっとスーパーフォーミュラを盛り上げられればなと思います」とコメント。可夢偉も「コーナーのデータを見ると、ヨコハマタイヤの方が速かったりした。開幕バージョンのタイヤがすごく楽しみだし、それを履いて争われる2016シーズンはもっと面白くなると思います」と述べた。

まだ両者ともに今季の体制発表はまだで、スーパーフォーミュラへの参戦が正式にアナウンスされていないが、今年はさらに見逃すことができないドライバー同士によるハイレベルな争いが展開されそうだ。

2016年のスーパーフォーミュラは4月23・24日に三重県の鈴鹿サーキットで開幕する。

《吉田 知弘》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集