さて、『BEWITH』である。『BEWITH』が初めて自社製品を世に送り出したのは、2002年。世界初のオール偏芯コーン方式による高級2ウェイスピーカーシステム「Confidence(コンフィデンス)」をリリースして業界をあっと言わせた。そしてその後、パワーアンプ、ソースユニットを順次発表し、初の“プロセッサー”を発売したのは2007年の10月だ。この時に発表された製品は、デジタルプロセッサー DA コンバーター「Mirror Station AZ-1」である。
この「Mirror Station AZ-1」はそれまでの『BEWITH』製品と同様に、衝撃的なデビューを飾る。その理由は以下だ。「あまりにも高価であること」、そして「あまりにも高音質であること」。価格はなんと80万円。当時、同社のソースユニット「Mirror Media MM-1」が20万円で、これでも十分に高価だと思われていたところに、その4倍となるスーパーハイエンドなユニットを登場させたのだ。
また「Mirror Station AZ-1」は『BEWITH』自身にとっても特別な意味を持つ製品だった。この登場により初めて、『BEWITH』製品だけで構築するシステムが完成できることとなったのだ。『BEWITH』はほぼ純度100%の『BEWITH』サウンドを、そして自社がどのような音を理想としているのかを、遂に世に示すことができたのだ。
そして…。
その3年後に『BEWITH』は、新たなコンセプトを持つ、ニュー“プロセッサー”を発表する。その名は「BEWITHSTATE」。この製品は「Mirror Station AZ-1」以上のインパクトを放った。またしても理由は2つ。
ところで「BEWITHSTATE」は1台でもフルシステムに対応できる。そして1台の価格は20万円。おいそれと買うことができなかった「Mirror Station AZ-1」の1/4の予算で『BEWITH』フルシステムを完結できる。この事実も大いにファンを喜ばせた。「BEWITHSTATE」はどこまでも理想を追い求めた製品でありながら、ユーザーフレンドリーな製品でもあったのだ。なんとも心憎い。