富士重工業の快進撃が止まらない。11月5日に発表した2016年3月期第2四半期決算を見ても、売上高1兆6014億円(前年同期比22.2%増)、営業利益2850億円(同53.6%増)、純利益(同70.9%増)と大きな伸びを示している。もちろん過去最高の業績。
特に営業利益率に至っては、17.8%とトヨタ自動車の11.2%を大きく上回り、ぶっちぎりの1位。これは為替差益が1004億円もあったこともあるが、なにしろ販売が好調で、グローバルの販売台数が47万2000台と前年同期に比べて9.4%も伸びているのだ。しかも、上級グレードがほとんど値引きなしで売れていく。
国内販売については、5.0%減の6万6500台となっているが、足元の受注は好調だという。「とにかく車が足りない状態が続いていて、国内ではすべての車で2か月半待ちの状態になっている。欧州でも3か月待ちの状態で、全地域で3か月近く待っていただいている」と吉永泰之社長は申し訳なさそうに話す。
文字通り、つくってもつくっても追いつかない状態で、その状況が米国での増強が完了する2016年度末まで続きそうだ。「立派な新本社ビルを建てると、会社が傾き始める」というジンクスがあるが、富士重工の場合、そのジンクスが当てはまらないようだ。