トヨタ自動車が12月に発売を予定している新型『プリウス』はJC08モード燃費40km/リットルを目標に開発され、ハイブリッドシステムはもとより車両、エンジンなどあらゆる領域で改良が施されている。
新型プリウスのチーフエンジニアを務める豊島浩二氏は10月13日に都内で開いた技術説明会で「軽量化だけが燃費向上のアイテムではない。ユニットの効率化、空気抵抗の低減など様々」とした上で、「世界最高性能を誇る新型の風洞実験施設で空力性能を極限まで高めるために、実際の走行状態を再現し、走行時の現象を詳細に解析し検討を重ね、世界トップレベルのCd値(空気抵抗係数)0.24を実現している」と説明。
Cd値0.24実現の方策としては、全高を従来型に対して20mm下げるとともに「さらなる空気抵抗の低減のためルーフピークを170mm前方に出し、次世代カーにふさわしい先進的なエアロフォルムを実現した」という。さらに「グリルシャッターなどの新技術も採用した」と明かす。
トヨタではすでに『レクサス GS』にグリルシャッターを搭載しているが、プリウスへの採用は今回が初めてとなる。新型プリウスではアンダーグリルにグリルシャッターが取り付けられている。
製品企画本部の菅野伸介主幹は「エンジンの冷却水の温度に応じてモーターを使って自動的にシャッターを開閉する。グリルが開いているとフード内に入った空気を抜かなければいけないので、通気抵抗で空力が悪くなる。そこでエンジンン冷却水の温度が低いときはシャッターを閉めることによって空力を改善している」と解説する。