フォルクスワーゲングループがアメリカ国内で販売したディーゼル車の一部で、排出ガス規制を逃れる不正プログラムである「無効化機能」(Defeat Device)が組み込まれていたことについて、国内でも動きがあった。
太田明宏国土交通相は25日の会見で、こう語った。
「今回のフォルクスワーゲン社の違反内容を確認しながら、他社の乗用車に不正があるかないかについて、輸入事業者も含めてその報告を求めることにする」
同省は、こうした機能の搭載がないことを各メーカーや車両販売事業者に文書で確認する。
また、国内に不正プログラムが組み込まれたフォルクスワーゲンの車両が存在するのかどうかについても調査を進める。
日本国内ではフォルクスワーゲン・ジャパンによるディーゼル車の正規販売はない。国交省も該当車両がないことを同社に確認した。ただ、太田氏は同じ会見で「個人で輸入して、日本に持ち込まれた車両が230台あるということを把握した」として、これら車両についても対応を検討している。
いわゆる並行輸入された車両の中には、すでに海外で走行した中古車が輸入されている可能性もあるため、今のところ230台すべてが規制を回避する不正車両かどうかは判明していない。
フォルクスワーゲンの該当車両については、9月18日にアメリカ環境保護局が大気汚染防止法の違反通知書を出した。9月24日にはドイツ運輸省もヨーロッパ域内で販売されていることを明らかにした。