最近のフォード車は、「キネティックデザイン」という名のもとに、お洒落化というか、個人的にはデザインに遊び心が加わったのかな~という気がしている今日この頃。ありそうだけどどこかちょっと違うという感じ。
外見もそうですが、特にインテリア。飛行機のコックピットをモチーフにした、というのは他のクルマでもありますが、メカメカシイ感じが、飛行機というか、まるでガンダムの操縦席にいるかのよう。もちろん、ガンダムの操縦席には乗ったことは無いのであくまで想像ですが。
そんなガンダムっぽい(?)運転席を持つフォードのコンパクトSUV『クーガ』。現在は2代目ですが、『フォーカス』と同じプラットフォームを持ち、クルマ自体もフォーカスと同じように欧州などでは高い評価と人気のモデル。日本にも2013年から導入されていますが、「乗るといいクルマなんだけど」と好評価にもかかわらず、なかなか試乗する機会が無いことが現実の様子。
クーガには高級グレードの「タイタニアム」とスタンダードグレードの「トレンド」の2グレードあり、これまではどちらも1.6リットルエコブーストエンジンが搭載されていましたが、今回タイタニアムには2.0リットルエコブーストエンジン、トレンドにはダウンサイジングされたアイドリングストップ機能付き1.5リットルエコブーストエンジンを搭載…。今流行りの、直噴+ターボの組み合わせ。
しかし、この0.5リットルの排気量の違いは乗り比べると一目瞭然。特に加速時。滑らかな出だしは変わりませんが、同じようにアクセルを踏むとタイタニアムのほうが、エンジン音が大きくてパワフル。その後はアクセルの踏み込みに合わせてエンジンが応えてくれて、気持ちよいドライブに酔わせてくれます。たった0.5リットル、されど0.5リットル。
また、走行時でアクセルペダルを戻した時などエンジンに負荷が無い状態の時には燃料供給をカットする機能がついているとのことですが…あまりに自然だったのか、残念ながらそれには気が付きませんでした。
コーナー時の安定感はAWDということもあるのか、両車ともしっかりとした踏ん張り。シートもトレンドのハーフレザーに比べると、本革シートのタイタニアムのほうが体のおさまりがよく、安定感があります。とはいえ、「トレンド」のアイドリングストップ機能も捨てがたい…。
タイタニウムとトレンドで違うボディカラーを設定しているのも面白い。トレンド専用色のジンジャーエールは個性的なので、お洒落感でいえばタイタニアム、よりお財布的への負担を抑えるならトレンドというところでしょうか? いっそ、ボディカラーで選んでしまうというのでもよいかも。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
おススメ度:★★★★
吉田由美|カーライフ・エッセイスト
短大時代からモデルを始め、国産メーカーのセーフティドライビングのインストラクター経て2000年に「カーライフ・エッセイスト」に転身。クルマまわりのエトセトラについて独自の視点で自動車雑誌を中心に、テレビ、ラジオ、web、新聞、トークショー、講演会などで広く活動中。3つのブログを展開し、中でも「なんちゃってセレブなカーライフ」は1日約20万アクセスの人気を誇る。