スポーティネスを突き詰めた「R」を試乗後、コチラの「オールトラック」に乗り換えて、『ゴルフ ヴァリアント』のカバレッジの広さをいやおうなしに実感した。ロードクリアランスが標準車より25mm高い「オールトラック」は、一気に多目的車の趣も強めた。見晴らしが格段によくなったと感じる運転席は、たとえば国産ミニバンから乗り換えても違和感がないのでは? と思えるほど。言い換えると“実用は犠牲にしたくないが扱いやすいクルマが欲しい”と考えるユーザーには最適だ、ということだ。ちなみに605~1620リットルの容量のラゲッジスペースは標準車と変わらず、使い勝手は定評あるヴァリアントとのものだ。走りも心強い。搭載エンジンは1.8リットル(180ps/280Nm)と今や余裕十分のユニットだから、6速DSGの変速も無理がなく、クルマをスムースに走らせる。100km/hは6速で2000rpm少々だから快適性も高い。快適性でいえば、シートヒーターを始め、欲しい装備の充実度の高さも嬉しいところ。乗り味は、ごく低速で“引き締まった感”があるが、走り出せば、なめらかな『ゴルフ』そのものの味わい。ワインディングを含め、高くなった車高は意識しない。それと「ドライビングプロファイル」のモードに“オフロード”が設定されるのも見逃せない。30km/h以下の下り急坂で車速を一定に保ってくれたり(ヒルディセントコントロール)、アクセルペダルの特性が切り替わったり…と、本格SUV並の機能が盛り込まれている。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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