ホンダ『S660』のインテリアは、世界一小さなスーパーカーを作りたいという思いでデザインされているという。
そう話すのは、本田技術研究所四輪R&Dセンターデザイン室1スタジオの稲森裕起さん。コンセプトワードは、“スーパーコックピット”。「F1のコックピットに座ったようなドライバーの空間にしたかった。そうすることでワクワクしたり、クルマを操る楽しさを感じてほしい」という。
具体的には、センターコンソールを中心にドライバーを包み込むような形状になっているほか、ステアリングを握った時に、操作類が全て手元周辺に集中させていることが特徴だ。
更にステアリングも最少径の350πを採用。「それを握ってスタートボタンを押して、よし行くぞ!と感じてもらえればうれしい」と語る。
インテリアカラーも、コンセプトのスーパーコックピットを強調するコーディネートとなっている。本田技術研究所四輪R&Dセンターデザイン室3スタジオの落合愛弓さんによると、「アシンメトリーのシートカラーはチャレンジだった。また、タイトな空間の中で、いかに本格的なスポーツの体験が味わえるように、素材感にもこだわった」と述べる。
アシンメトリーのアイディアは、スーパーカーや、本格的なスポーツカーを作りたいという想いから発想された。「スーパーカーの中には助手席がないクルマもあるだろう。そこからインスパイアされて、左右シートカラーを変えた提案をした」と説明。
そして、「このアイディアがユーザーに受け入れられれば、今後も育てていきたいと思っている」とした。