試乗車は『WRX STI』のベースモデル。メーカー装着オプションの大型リヤスポイラーを備えるも、ビルシュタイン製ダンパー、BBSアルミホールが省かれるのが「Type S」との違い。車載のスペックシートに記載の車両重量は1500kgちょうどになっていた。搭載する2リットルの4気筒水平対向ツインスクロールターボは、実に308ps/43.0kgf・mのスペックを発揮する。当然、遅かろうはずはなく、強めの加速を試せば、シートバックに背中が押し付けられるのがわかる。が、腹の底から湧き出るような動力性能とは裏腹に、クルマはあくまで安定しきっている。加速中はもちろんだし、コーナリング中も、いささかもラインが乱れない。4WDシステムは前後41:59を基本にし制御が加えられるが、AUTOモードのまま、かなりのレベルの走りをサラリとこなす。ブレンボ製4輪ベンチレーテッドディスクブレーキの効きはタッチが確実な上、鳴きもみられない。MTのシフト、クラッチも、気負わず、普通の感覚の力加減で操作可能だ。ひと昔前のSTIモデルというと、気骨ある仕上がりを操作系からも直に感じたものだが、それに較べ、全体がかなり洗練された印象。BMWのMモデルがそうであるように、最新の技術を駆使してスマートに仕上げられた高性能車……そう感じた。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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