SKYACTIV以降、出すクルマすべてが評判のよいマツダ。『CX-3』をドライブしてまず感じたのは、低回転域でのトルク特性や乗り心地など、『デミオ』で少し気になったところが早くも改善されていたことだ。もっと時間がかかるのではないかと思っていたのに、短い期間で早くも進化させてきたところにちょっと驚いた。話題になることの多い「ナチュラル・サウンド・スムーザー」の効果は、装着車と非装着車を乗り比べると、劇的というほどではないにせよ確かに違いはわかる。今後ディーゼルがよりよいものになっていく上での、ひとつの大きなきっかけになることだろう。CX-3について価格が高いという意見もあるようだが、はたしてそうだろうか? 得られる価値の高さや内容の濃さを考えると、むしろ買い得感を覚えるほど。その意味ではコストパフォーマンスとしては高いといえるのではないかと思う。CX-3はメカニズム的にはデミオとの共通性が高く、ポジションとしては『CX-5』の弟分となるわけだが、イチ新商品として、デミオやCX-5に対するキャラクターの棲み分けも巧くできており、あえて選ぶ理由も十分あるように思える。車種ラインアップ数の多くない中で、そのすべてがキャラを確立して“主役”となっている現在のマツダに、主役級がもう1台増えたというわけだ。■5つ星評価パッケージング:★★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★★★<プロフィール>岡本幸一郎|モータージャーナリスト1968年、富山県生まれ。学習院大学を卒業後、自動車情報映像制作や自動車専門誌の編集に携わったのち、フリーランスのモータージャーナリストとして独立。幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでもスポーツカーと高級サルーンを中心に25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに鋭意執筆中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。