2015年のモータースポーツ界が賑やかだ。
ホンダがF1に復帰すれば、日産はル・マン24時間耐久レースに再挑戦し、トヨタはWRCに参戦する。そしてバイク業界では、スズキが世界最高峰ロードレースのMotoGPクラスに復帰し、レース活動を開始して60周年を迎えたヤマハは日本でのファクトリー活動を復活させた。
そして今度は、ホンダがケーシー・ストーナーの鈴鹿8耐出場を正式発表したのだ。
ストーナーは現在、ホンダレーシング(HRC)とマシンのテストライダー契約をしており、MotoGPマシンの開発に協力。ホンダが全幅の信頼を寄せる数少ないライダーの一人だ。
そのストーナーは、2010年にホンダのファクトリーチームRepsol Honda Teamに移籍。翌2011年には18戦中10勝を記録してMotoGPクラスで2度目のチャンピオンに輝いている。ちなみにホンダは、1990年から4年連続でライダーチャンピオンを逸しており、2007年から再び4年連続でタイトルを逃していたことから、2011年のストーナーのチャンピオン獲得はワースト記録をタイで止めるものであり、まさに救世主でもあった。しかし、2012年のフランスグランプリで同年限りでの引退を電撃表明。その年は5勝を挙げてランキング3位となっている。
鈴鹿8耐は、昨年、一昨年のケビン・シュワンツなどの参戦でレジェンドライダーに話題が集まっているが、ストーナーの参戦は、まさに最強レジェンドライダーの登場とも言える。同時に、今もなおMotoGP復帰を望むファンが多いストーナーの鈴鹿8耐参戦は、衝撃のニュースとして世界中を駆け巡ることは間違いない。
ストーナーの所属するチームは、鈴鹿8耐で2連覇中で通算3度の優勝経験を持つホンダ系トップチームのMuSASHi RT HARC-PRO.。同チームには、昨年の全日本JSB1000ランキング2位で、鈴鹿8耐では2010年の初参戦以来3度の優勝と3位1回という好成績を残して鈴鹿8耐の申し子と呼ばれる高橋巧が所属。さらに昨年、一昨年に続いてマイケル・ファン・デル・マークも同チームからの出場が決定。チーム、高橋、ファン・デル・マークにとって今年の鈴鹿8耐では新記録となる3連覇がかかっているだけに、ストーナーはこれ以上にない助っ人と言える。
☆プロフィール
ケーシー・ストーナー
Casey Stoner
1985年10月16日生まれ、オーストラリア出身
主な戦績
2006年 世界選手権MotoGP ランキング6位(Honda)
2007年 世界選手権MotoGP チャンピオン (Ducati)
2008年 世界選手権MotoGP ランキング2位(Ducati)
2009年 世界選手権MotoGP ランキング4位(Ducati)
2010年 世界選手権MotoGP ランキング4位(Honda)
2011年 世界選手権MotoGP チャンピオン (Honda)
2012年 世界選手権MotoGP ランキング3位(Honda)