【三菱とモータースポーツ】ラリーで磨かれた歴代ランエボ「丈夫さと四駆技術は世界に誇れる」…三好秀昌氏が語る

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三好秀昌氏が駆る 三菱 ランサー エボリューション X ゼロカー
  • 三好秀昌氏が駆る 三菱 ランサー エボリューション X ゼロカー
  • 三好秀昌氏と三菱 ランサー エボリューション X ゼロカー
  • 三好秀昌氏
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  • 三菱 ランサー エボリューション X ゼロカー
  • モータースポーツジャパンフェスティバル14
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1992年の登場以来、世界中のファンから愛されてきた三菱『ランサーエボリューション(通称ランエボ)』。今年度をもってSST車が生産終了、モデルとしても打ち切りとなることが発表されている。

ラリードライバーとして歴代ランエボを駆り、様々なレースで輝かしい戦績を残してきた自動車ジャーナリストの三好秀昌氏が、ランエボの歴史を振り返るとともに、その魅力を語ってくれた。レーサーとして、またジャーナリストとして長年の相棒とも呼べる「ランエボ」とはどんなクルマだったのか。

シリーズは初代から乗っており、途中スバル『インプレッサWRX』もドライブした経験を持つ三好氏。ライバル車との最大の違いは「強度」だという。

「それぞれにキャラも成り立ちも違うマシンなのに、同じようなタイムが出る。不思議なライバル関係なんですよ。ランエボの印象はとにかく丈夫なこと。最初にエボ1・2と乗った後、スバルに移籍してインプレッサに乗りました。インプレッサは操縦性ではFRのような動きをするし軽さが強さにつながってましたけど、強度とか丈夫さで言ったらランエボでしたね。だからラリーでの悪路を走っていても安心感が違う。ナックル一つをみても本当に頑丈でしたね。」

車名についている「Evolution」という言葉、日本語では「進化」という意味になる。その名の通り、ランエボは新モデルが登場する度に新しい要素が加えられ、常にその時代のモータースポーツ界で活躍できる形に進化してきた。

「1~3の頃は小ささが生きている仕上がりでした。それが4~6になってくると車体が大きくなり重たくなったけど、各アームのストロークが伸びてコーナリング性能が上がったという印象を受けましたね。一番大きく変わった印象を受けたのはエボ7。ここで新しくACDが導入されて4WDの制御がガラッと変わりましたね。今まで曲がらなかった4WDがACDで自由自在になった。しかも競技車じゃなくて量産車に入れられたのは大きかったと思いますね。完成度の高さはラリーだけではなく、世界に誇れる技術だと思いますよ。」

そんな歴代モデルの中でも「個人的に一番好きなのはエボ9」だと語る三好氏。「やっぱりラリーでもいい思い出があるし、大きさなど全体のバランスが本当に良かった。4G63型エンジンからの流れを引き継いできた最終形態ですからね。」

常に進化を遂げていったランエボだが、最初のエボ1が登場して以降、約1~2年という短期間で次々と新しいモデルが発表された。もちろん異例のスピードだったが、これもモータースポーツの世界で勝つため現場からの要望が大きく影響していたという。

「モータースポーツからのフィードバックが大きかったと思う。現場から細かい改善オーダーがきて、競技車としてホモロゲーションをとるためには量産しなければならないから、結果的に毎年のようなモデルチェンジになったのだと思います。それが毎回売れるというのも凄かったですよね。」

最後に、もし今後ランエボを継承するようなモデルが出るとするならば、そのクルマに求められる「エボの資質」は、どういうものなのか、三好氏に伺ってみた。

「求められるものは何と言っても四駆の制御システム。電子制御の性能をもっと高めて普通の人が雪道を走っても乗りやすくて、今後は燃費が悪くならないようなクルマがあれば楽しいだろうね。」

現在はPHEV車での本格的なレース参戦も視野に入れている三菱。残念ながらランエボの歴史は今回で一旦幕を閉じることになるが、いつか新しい形でランエボの伝統を受け継ぐクルマが、再び帰ってくることを期待したい。
《吉田 知弘》

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