【WEC 第5戦】トヨタ勢、富士戦1-2完勝でタイトル獲得に向けても視界良好

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#8 トヨタがWEC富士戦を制覇。
  • #8 トヨタがWEC富士戦を制覇。
  • 優勝したブエミ(中央左)とデビッドソン。左端は2位の中嶋一貴。
  • レース序盤、#8 トヨタが#20 ポルシェをリード。
  • トヨタ1-2フィニッシュ、歓喜のゴール。
  • LMP1-Hクラスの表彰式。3位にはM.ウェバー(右から3人目)らの#20 ポルシェが入った。
  • 中嶋一貴らの#7 トヨタは2位。
  • 3位の#20 ポルシェ。
  • アウディ勢は決勝も5~6位(A.ロッテラーらの#2は6位)。
世界耐久選手権(WEC)第5戦「6 HOURS OF FUJI」は12日、静岡県・富士スピードウェイで決勝日を迎え、トヨタ『TS040はブリッド』勢が完勝、1-2フィニッシュで富士戦3年連続優勝を飾った。

開催前には台風19号の影響も懸念された週末だったが、この日も富士の天候は曇り時々晴れといったところで、路面はドライ。午前11時スタートの決勝6時間レース中、気温は14~18度、路温は18~22度あたりの推移だったと見られ、やや低温気味ながらも穏やかなコンディションに終始した。昨年は豪雨による実質無競争レースだったWEC富士戦。それだけに、3日間の会期が安定した天候に恵まれたことは、富士に詰めかけたファンにとって何よりであった(観客数は3日間計5万1000人、決勝日3万2000人)。

最高峰のLMP1-Hクラス(総合優勝争い)に関しては、レースの方も穏やかな展開に終始したと言っていい。オープニングラップこそ、ポール発進の#8 トヨタ(S.ブエミ)に予選2位の#20 ポルシェ『919 ハイブリッド』(M.ウェバー)、予選5位の#2 アウディ『R18 e-トロン クワトロ』(A.ロッテラー)が挑みかかり、3大ワークスによる超接近戦シーンの演出もあったが、今回に関しては完全に、レース界で俗に言うところの「クルマの力が違う」状況だった。次第にトヨタが8号車、7号車の順で1-2フォーメーションを確立し、6時間レースほぼ完全支配の圧勝劇を披露した。

トヨタの2台は37周ずつを基本軸として、時間的には50分強くらいのタイミング毎にピットインを重ね、両車とも6ストップできっちり走り切った。アクシデント等に作戦を乱されることもなかった格好だが、レース中盤にはポルシェ、アウディをすべて実質的な周回遅れにしており、波乱を起こされる素地さえ、ほとんどなかった。

優勝は#8 トヨタ(A.デビッドソン&S.ブエミ)で、2位が#7 トヨタ(A.ブルツ&S.サラザン&中嶋一貴)。トヨタとデビッドソン&ブエミにとっては開幕2連勝して以来、3戦ぶりの今季3勝目で、トヨタはマニュファクチャラー選手権争いトップの座をアウディから奪還した。デビッドソンとブエミもドライバー選手権における#2 アウディのドライバートリオ(今回決勝6位)に対するリードを拡大している。

デビッドソンは「今年3勝のなかでも今日がベストウインかって? スパ・フランコルシャン(第2戦)の勝利も素晴らしかったと思うよ。ラップタイムの比較等を考えた場合、僕自身にとってはスパの勝利はとても支配的な、スペシャルな勝利だった」と笑顔で語り、さらにこう付け加える。「でも、今日このトヨタのホームコースで、応援してくれているたくさんのファンやスタッフの前で、1-2で勝てたこと、これも本当に素晴らしい。支えてくれている皆に感謝しているよ」。

一方、個人としての富士戦3連覇ならず2位だった一貴(#7)だが、「それは特に意識はしていませんね」との旨を語り、もちろん僚友とはいえ#8に負けたことは残念だろうが、トヨタ・レーシングとして1-2フィニッシュを果たせたことに、レース後は一定の満足感を示していた(一貴はWECには全戦出場ではないため、ドライバーズチャンピオン獲得の権利は実質的にない)。

いよいよ2冠獲りが本格的に視野に入ってきたトヨタ陣営。残る11月の3レース(上海~バーレーン~サンパウロ)での逃げ切り濃厚なムードが感じられる、3年連続の、そして1-2では初となる富士戦制覇だった。デビッドソンは王座争いに向けて、「ここでアウディからマニュファクチャラー選手権首位の座を奪い返したことはとても重要だ。(前戦はレース途中の雨という要素の影響もあって負けたが)クリーンなレース展開のなかで勝てたことの意味は今後に向けても大きい」と、ポジティブな展望を語っている。

なお、今大会のLMP1-Hクラス3~6位と、他クラスの優勝車は下記の通り。井原慶子が搭乗する#35 モーガン・ジャッド(井原&G.ヤカマン&A.ブランドル)がLMP2クラス3位に入っている。

■LMP1-Hクラス決勝3~6位
3位:#20 ポルシェ(T.ベルンハルト&M.ウェバー&B.ハートレー)
4位:#14 ポルシェ(R.デュマ&N.ジャニ&M.リーブ)
5位:#1 アウディ(L.ディ・グラッシ&L.デュバル&T.クリステンセン)
6位:#2 アウディ(M.ファスラー&A.ロッテラー&B.トレルイエ)

■クラス優勝
LMP1-L:#13 レベリオン R-One・トヨタ(D.クライハマー&A.ベリッチ&F.ライマー)
LMP2:#26 リジェ JS P2・ニッサン(R.ルシノフ&O.プラ&J.キャナル)
LMGTE Pro:#51 フェラーリ F458 イタリア(G.ブルーニ&T.ヴァイランダー)
LMGTE Am:#95 アストンマーチン・バンテージV8(K.ポウルセン&D.ハイネマイヤー-ハンソン&N.ティーム)
《遠藤俊幸》

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