『レヴォーグ』のラインアップのなかでもっともベーシックなモデルが1.6GT。
2.0リットルモデルと1.6GT-Sグレードは18インチタイヤが標準だが、1.6GTは17インチタイヤを履く。1.6リットルモデルにのみ、アイサイト未設定車があるが、せっかくのレヴォーグでアイサイトを外す必要もない。そうした観点からみると、この1.6GTアイサイトが現実的なベーシックグレードということになる。
さて、この1.6GTだがエンジンはGT-Sと同じ仕様で170馬力を発生するもの。アイサイトレスとの機能的な差はリヤのディスクブレーキ径程度となっている。動力性能に不満はない。必要十分以上のパワフルさがあり、アクセルペダルの操作に対するレスポンスもいい。そしてこの1.6リットルエンジンはレギュラーガソリン対応であるということも大きな評価になる。レギュラーガソリンでリットル100馬力を超えるのだから、たいしたもの。
カタログ上のJC08モード燃費は17.4km/リットル。1.6GT-Sは16.0km/リットル、2.0はグレードに関係なく13.2km/リットルでハイオク仕様となる。こうして見ると、自分でガソリン代を負担するとなると1.6リットルエンジンはかしこい選択、さらにGT-SでなくGTを選ぶのはキレ者の選択と言える。
17インチタイヤは18インチに比べて初期の応答性が弱く、ステアリングを切ってからタイヤが反応するまで若干の遅れがある。この遅れは危険なものではなく、かえって乗り心地をよくするのに役立っている。敏感過ぎるタイヤは路面の変化に対する反応も過敏なほか、アイサイトの魅力であるアクティブレーンキープの効き過ぎる傾向となるのだ。
2.0リットルも1.6リットルも基本的にシャシーは同一。1.6GTは高い性能を持ったシャシーをリーズナブルな価格で購入できるベストなチョイスと言ってもいい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。