ダイハツ タントの独走は止められるか…大躍進のモアスペース軽、今後の動向を予測

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日産 DAYZ ルークスハイウェイスター ターボ
  • 日産 DAYZ ルークスハイウェイスター ターボ
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  • ホンダ N-BOX+
  • ダイハツ タントカスタムとN-BOX+
  • 軽の先入観を覆る良好な乗り心地を実現したN-BOX+カスタム
  • ダイハツ・デカデカ(東京モーターショー13)
  • ダイハツ・デカデカ(東京モーターショー13)

2013年度の国内自動車販売統計が出そろった。登録車と軽自動車を合わせた2013年度の新車販売は569万2019台。このうち、軽自動車が過去最高の226万1839台を占め、総需要に占める軽の比率は過去最高の39.7%にまで上昇した。

◆車名別販売トップ10に3台のモアスペース

車名別の販売ランキングも軽躍進を物語っている。ランキング上位10台のうち、1位のトヨタ『アクア』、2位の『プリウス』、そして4位のホンダ『フィット』以外は全て軽自動車。中でも「スーパーハイト」「モアスペース」と呼ばれる全高1700mm以上の車種のシェア拡大が著しい。ホンダの『N-BOX』が3位(22万5900台)、6位がダイハツ『タント』(18万590台)、そして10位にスズキ『スペーシア』(13万8469台)がランクインしている。

スペーシアは2013年2月、タントは10月に発表され、2014年2月にはさらに日産『デイズ ルークス』と三菱『eKスペース』が登場するなど、このカテゴリーの販売争いはますます熱を帯びてきた。中でもタントは、2013年12月から4カ月連続で軽自動車車名別販売トップを快走している。このままタントの独走が続くのか、それともN-BOXをはじめとする他のモデルがその地位を脅かすのか、注目が集まる。

これらモアスペース軽の中心販売価格は140万円から180万円と、軽自動車としてはかなりの高額価格帯だが、税金などの維持費の安さに加えて、使い勝手の良い装備類、必要十分な動力性能、さらには燃費の改善も著しい。実際に乗ってみると、軽自動車とは思えないパッケージングと想像以上に力強い走りで、登録車に劣らない商品力を実感でき、これだけ人気を博すのも“さもありなん”といったところだ。

◆軽自動車税アップを前に駆け込みも

年度末となる3月にはタントが3万台を超える販売を記録するなど、消費税値上げの駆け込みもあって、史上最高の売れ行きを示したモアスペース軽。この勢いは、新年度以降も続くとみて良いだろう。というのも、2015年4月から軽自動車税の引き上げ(年額7200円→1万800円)が確定しており、さらには同年10月には消費税増税(10%)も政府で検討されており、ここでも駆け込みが発生する可能性が高いからだ。軽自動車税については、2015年3月以前に購入した車両は引き上げ前の税額がその後も維持されるため、駆け込みを誘発する可能性が高い。

では向こう1年、各メーカーの動向はどうだろうか。2013年度にホンダ、ダイハツ、スズキ、三菱/日産の軽自動車主要5メーカーからモアスペース新モデルが出そろったが、ホンダのN-BOX(2011年12月発表)は登場から3年目に差し掛かり、年内には大幅改良もありえそうだ。2012年度・2013年度のベストセラー軽自動車として君臨したN-BOXの内外装質感は今もってライバルに十分に渡り合えるレベルだが、シートアレンジや機能装備など使い勝手の部分では遅れをとっている部分もあるだけに、ホンダがどのような手を打ってくるかには注目だろう。

また、3代目のタントが絶好調を維持しているダイハツの次の一手にも注目だ。最近は年内の登場予定の軽スポーツ『コペン』の話題で盛り上がっている同社だが、昨年(2013年)の東京モーターショーに出展した超背高ワゴン『デカデカ』ベースの市販版投入をアナウンスしている。全高 1850mmという圧倒的なスペースユーティリティを武器にモアスペース軽の台風の目となる可能性もある。

こうした新モデルの登場に、他社も手をこまねいているということはないだろう。魅力的な装備を付加した特別仕様車や新バリエーションなどで対抗するものと思われる。まだまだこのモアスペース軽には目が離せない。

《レスポンス編集部》

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