日産自動車とNISMO(ニスモ)が、2014年のルマン24時間耐久レースに投入する日産『ZEOD RC』。同車のエンジンの詳細が公表された。
日産ZEOD RCは、2013年6月に発表されたEVレーシングカー。2014年のルマン24時間耐久レースに、特別枠の「ガレージ56」で参戦する。ガレージ56は未来のテクノロジーを搭載した車両で競う実験車のカテゴリー。
日産ZEOD RCには、『リーフ』で培われたリチウムイオンバッテリー技術を導入。最高速300km/以上を可能にする。マシンのデザインは、2012年のルマンに参戦した日産『デルタウィング』のエアロダイナミクス技術を発展させたもの。
2013年10月には、日産ZEOD RCを日本初公開。これに合わせて日産は、ZEOD RCについて、「電力駆動と小型軽量ターボエンジンによる駆動を切り換えることが可能で、ブレーキ回生によりバッテリーに充電する」と発表。さらに、「ルマン24時間レースが開催される8.5マイル(約13.7km)のサーキット1周を、電力だけで走行する」と明らかにしていた。
日産は今回、ZEOD RCに積む小型軽量ターボエンジンの詳細を公表。新開発の1.5リットル3気筒ターボ「DIG-T R」を搭載する。このエンジンは小型軽量なのが特徴。サイズは500×400×200mmで、重量は40kgに抑えられる。ルマンでは、充電後の1周をEVモードで走行した後、このエンジンによる駆動に切り替える。
また、このエンジンは、非常にパワフルな特性を発揮するのも特徴。1.5リットルの小排気量でありながら、最大出力400psを引き出す。最大トルクは38.7kgm。日産は、「パワーウェイトレシオは10ps/kg。2014年シーズンのF1マシン(1.6リットルV型6気筒ターボ搭載)を上回る」と説明している。