先日開催されたランボルギーニ・ブランパン・スーパートロフェオの韓国ラウンド。そこで優勝を果たした中谷明彦選手が、シリーズとマシンについて語ってくれた。
最後まで気の抜けない戦い
「開幕戦の上海にも出場していて、その時は第1レース3位、第2レース2位だったのです。第2レースではずっとトップを走っていましたが、最後の2周くらいで抜かれているのです。なので、いつまた速い車が来るか分からないので油断できませんでした」
「周りのドライバーのレベルなんかも何も分かりませんし、よそのペースも分かりません。無線もサインボードもないのです。チェッカーを受けるまで気は抜けませんでした」
「このシリーズで速いドライバーは4~5人ですかね。イタリア人のマックス・ワイザーを始め、3人のドライバーは先週ここ(インジェ)でのアジアン・ル・マンにもガヤルドのGT3で出ています。その3人はやっぱりスーパートロフェオでも速いですね」
注目のマシン性能は…
「ガヤルドのLP570-4スーパーレジェーラをベースにしたスーパートロフェオ・ストラダーレというレーシングカーなのですが、2ペダルにパドル・シフトで電動パワステが付いていて誰にでも運転できる車が570馬力以上もあるのです。でも、4輪駆動なのでホイールスピンすることもないです」
「マックス・ワイザーと話をしたら『同じタイヤを履いたらリヤ駆動のGT3マシンよりスーパートロフェオの方が速いんじゃないか』と言っていましたよ」
「セッティングはタイヤの空気圧とキャンバー、トーインの調整くらいしか許されません。大事なのはタイヤのマネジメントですね。最初に飛ばし過ぎると最後がキツくなりますから。今回のような初めてのサーキットではペース配分が分かり難かったです」
優勝争いの相手はエリート
「今レースでは2番の車(アフィク・ヤジド)との優勝争いになりました。僕はピットストップを遅らせてトップの彼がピットに入ったところでプッシュして逆転しました。ルールで50分レースの20~30分の間に必ず1回ピットに入らなければいけません。そこで60秒間の停止が義務付けられています。ドライバー交代しても良いし、しない僕も60秒は止まっていないといけません」
「彼(アフィク・ヤジド/マレーシア)はペトロナスの育成ドライバーで"アジアからF1ドライバーを"というプログラムに乗っているらしいですね。そんなエリートも参加しているのがスーパートロフェオなのです」
インジェコースの難しさ
「このインジェのコースはブラインド・コーナーばかりで走り辛いですね。バンプもあるし、追い越しも難しい。でも、勝ったから僕は好きなコースです」
「実はランサー・エボXが出た時のスーパー耐久以来ですから今年5年ぶりのレース復帰。それで国際格式のレースに勝てたのですから嬉しいです。来月の富士のレースにもランボルギーニ麻布さんから出させてもらって、11月のワールド・ファイナル進出を目指します」