トヨタと富士重工とのコラボで大ヒットした『86』『BRZ』は、そのスポーツカーとしての人気を最大限に活用して、大改造車からマイナーなドレスアップ車まで、プライベートな出展も含めると実に100台近くの展示車が大阪オートメッセに集まった。
トヨタ本社が直々に参加するだけではなく、関連企業や各地のディーラーが独自の構想にもとづいて86を素材に、バラエティー豊かな完成車を展示している。とくにGAZOO Racingのコーナーでは、東京オートサロンで優秀賞を取ったトムスの『N086V』が異彩を放っていた 。86/BRZ の基本とも言えるボクサーエンジンに代えて、3.5 V6エンジンに積み替えたもので、他の86バリエーションと同列には比較できないほどに大がかりなモディファイが施されている。
ひと頃アメリカで普通のクルマにクライスラーのヘミヘッドV8を積んで、狂気のような馬力競争が流行ったことがあったが、日本のマーケットにそのような潜在需要があると思えないし、車検を通すのも少々大変だろう。
トヨタ社員の有志3万人で構成するトヨタ技術会の一部のグループが出展した2輪エンジンベースのハイブリッドコミューター「555TES Minute-S」は時機を得た企画であり、かつ完成度の高さはさすがだと思わせる。
開発担当のチーフである林豪さんに話を聞くことが出来たが、肩の力を抜いた姿勢でデザインを進めながら、肝心な所はキチッと配慮が行き届いていて、大いに期待が持てる。今後は、多少の悪天候でも乗れて、ちょっとした買い物とか脱いだコートの置き場とか、実用性をもうちょっと高めてぜひ市販してもらいたいと思う。