日産自動車の2012先進技術説明会では、バイワイヤ操舵システムやアクティブ・エンジン・ブレーキ、緊急操舵回避支援システムなど、より安全で快適な運転を支援する技術が数多く公開された。
研究・開発担当の山下光彦副社長は「欧州のドライバーには余計なものはつけないでくれという人がいるかもしれないが、例えばアクティブ・エンジン・ブレーキは、免許取ってから2~3年の人でも熟練ドライバーの走りが味わえる。むしろ運転する楽しみが広がると思う」と強調する。
日産が今回公開したアクティブ・エンジン・ブレーキは、減速が必要なカーブへの進入時などにCVTのエンジンブレーキを自動制御して減速をアシストしてくれる。またバイワイヤ操舵システムはステアリングの動きからドライバーの意図を読み取って電気信号でタイヤに伝えるもので、スムーズな進路変更や、修正操舵がいらない走行が可能という。また、わだち路を走る際には振動をステアリングに伝えないためより快適な運転ができるとしている。
山下副社長は「運転が上手になったと錯覚するので他の車に乗り換えると大変だと思う」とする一方で、「逆にいうと日産車から離れられなくなる」とみる。
日産は2016年度までの中期計画パワー88で、毎年15の先進技術の採用を掲げているが、山下副社長は「技術開発をばんばんやって、たくさん並べるのではなく、使ってもらって、それゆえに売れるというのが目標なので、『買ってもらえる車づくりバイ(by)技術』を目指している」と述べていた。