混乱を切り抜けた勝者たち。夏休み明けのベルギーGPはスタート直後から意外な展開の連続で推移していった。トップ3ドライバーの談話からその熱戦を伺う。
優勝
ジェンソン・バトン(マクラーレン)
「一番前でエキサイティングじゃないレースをやってごめんね! でもね、レースをコントロールして楽そうに見えたかもしれないけど、決して楽じゃなかったんだよ。タイヤの状態は常に気を配らなければならないし、後ろとのギャップも気になるしね」
「今日のレースはとりわけ展開が読みにくかった。ストラテジーがチームごとに違っていて、実際のポジションがよくわからなかったんだ。スタート直後のT1の状況もひどかったね。ミラーで全体が見えていたけど、そこら中にマシンが散乱していた」
「僕のレースはむしろ単調だったかな。金曜日に雨の影響でロングランのデータが得られなかったので、厳しいレースと予想していたんだけど、結果は正反対だった。1ストップがここまでうまくいくのは珍しいと思う。12周目まで走ったところで、チームからマシンのフィーリングはどうかと聞いてきた。バランスは良くなる一方だと無線で答えて20周までピットを引き伸ばしたんだ」
「チームとしてはドライバーズ&コンストラクターズどちらも大きなポイントを稼ぎたいから今日の結果は文句なしだ。僕はまじめなチームプレーヤーだからチームのために戦う。チームには二つのタイトルを持ち帰りたいから、計算上ドライバーズのチャンスが残っている限りは決してあきらめるつもりはない。今日のレースを見てもらったとおりだよ!」
2位
セバスチャン・ベッテル(レッドブル)
「今日の結果は満足しているよ。昨日の予選は計画とは違った展開になったけど、今日はいつもの調子が戻ってきた。スタートはだめだったかな。 1コーナーで僕だけがポジションを稼いでいない。その分レースで頑張ったわけだけど、それはそれで楽しめた。ストラテジーは見事に狙い通りで、ペースも出ていたのが今日の最大の収穫だ。マシンが順調で、苦労なしに走れるレースが一番だね」
「ジェンソンとマクラーレンの優勝にお祝いを言いたい。今週末のモンツァも楽しみだよ。去年もあそこでは良いレースができたし、なんといってもイタリアGPの雰囲気が大好きだからね」
3位
キミ・ライコネン(ロータス)
「スタートはまずまず文句なしで、ザウバーをオーバーテイクした。ミラーにはさまざまな出来事が写っていたが、僕は幸い巻き込まれずにすんだ。ただ惜しいことに今日はペースに乗ることができなかった。週末ずっと不調続きで、まともなセットアップが見つけられなかったんだ。新品タイヤならなんとかなったけど、スライドを防ぐためにダウンフォースを増していたのでストレートが遅かった」
「ストレートの遅さに関しては、僕とミハエル(シューマッハ)のバトルを見ればわかるよね。僕が何回もパスしてるのに、ケメルストレートで彼が抜き返してくる。オールージュでオーバーテイクを狙う以外に僕のチャンスはなかった。これが幸いうまくいって、今度は前を守ることができた。今日はペースが足りず苦しいレースだったので、3位なら結果は悪くないと思っているけどね」