急激な円高によって、輸出の採算が悪化している日本の自動車メーカー。トヨタ自動車の米国のトップが、円高への新たな対応策に関して、興味深い発言を行った。
これは8月8日、米国ミシガン州で開催された自動車関連のセミナーにおいて、トヨタ自動車の米国法人、米国トヨタ販売のジム・レンツ社長兼CEOが明らかにしたもの。レンツ社長は「円高への対応策として、一部車種の生産を日本から米国へ移管することを検討中」と語ったというのだ。
トヨタ自動車は2012年2月、北米での主力SUV、『ハイランダー』の生産を、2013年をめどに日本のトヨタ自動車九州から米インディアナ工場に移管すると発表したばかり。
さらに7月には、2014年初頭からカナダ工場におけるレクサス『RX350』の生産を増強すると発表。同時に従来、日本だけで組み立てていたハイブリッドの『RX450h』について、カナダでの生産も行うことを公表している。
今回のレンツ社長の発言は、トヨタがさらなる生産の北米移管を進める可能性があることを示唆したものと受け取れる。なおレンツ社長は、日本から生産移管する可能性のある車種に関して、レクサス『ES』の名前を挙げたという。