『ポロ』に搭載される1.2リッターのTSIエンジンに、スタート/ストップシステム(アイドリングストップ機構)や、ブレーキエネルギー回生システムなどのブルーモーション・テクノロジーを採用したモデルが追加された。従来のポロの燃費は10・15モードで20.0km/リットルだったが、新しいポロTSIコンフォートライン・ブルーモーション・テクノロジーではJC08モードで21.2km/リットルに向上した。エコカー減税は75%減税が適用される。1.2リッターの直噴ターボ仕様エンジンは1.5リッター並のパワーと1.8リッター並のトルクを持つ。それでいてこの燃費はかなり良い。新型カローラのアイドリングストップ機構付き1.5リッターエンジンは21.4km/リットルなので更に良いが、これまでのe燃費に登録されたユーザーの実用燃費を見ても、カタログ燃費からの落ちが少ないのはポロのほう。ポロや『カローラ』の新型車の実用燃費がどうなるか、注目しておきたい。ブルーモーション・テクノロジーを採用したエンジンのパワー&トルクは77kW/175Nmで従来のモデルと変わらない。ポロのボディに対しては余裕のある動力性能で、燃費だけが良くなった形だ。アイドリングストップ機構が働いてエンジンが停止した状態では、ステアリングを操作しても再始動しない。再始動させるにはブレーキを緩めるのが基本だ。再始動時の振動や騒音はそれなりに大きい。このあたりは日本の自動車メーカーと少し考え方が違う。ポロTSIコンフォートライン・ブルーモーション・テクノロジーは、ベース車に対して5万円高くなった。燃費の差で取り戻せるかどうかは微妙だ。でもブルーモーション・テクノロジー搭載車には本革巻きステアリングホイールやシフトノブなども採用されている。これを合わせると十分に元が取れる価格になる。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★★★松下宏|自動車評論家1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。