トヨタ自動車のHV(ハイブリッド車)用モーター部品を手掛けている三井ハイテックの三井康誠社長は5日、福岡県北九州市の本社で記者会見し、モーター部品を電子部品と並ぶ中核事業に育成する方針を表明した。
同社は精密金型メーカーとしての技術力を生かし、電子部品やモーター部品、工作機械などを事業展開している。主力の電子部品では半導体用リードフレームが世界トップ級の15%のシェアを有している。
モーター部品は、極薄の電磁鋼板を数百枚重ねて成型するモーターコア(鉄心)を中心に生産しており、トヨタのHV用のほか、家電各社に納入している。会見で三井社長は、「現在、モーターコアは売上高の約3割となっているが、6割を占めている電子部品に次ぐ第2の柱に育成したい」と強調した。
時期は示していないものの、将来は電子部品と同等の売上構成比にしたいという。同社の2012年1月期の連結売上高は508億1700万円だった。トヨタによると、三井ハイテック製のモーターコアは2003年発売の2代目『プリウス』から採用を始めている。その後、『アクア』など幅広いモデルに採用し、現状ではトヨタの内製分以外は全量が同社製という。