日曜日のスピードウェイは「バンプデー」と呼ばれる予選最終日を迎えた。前日のポールデ—で24位以内に入れず決勝グリッドを獲得出来なかった者にとってのラスト・チャンスだ。
とはいえエントリーがフルグリッドぴったりの33人では今年は予選落ちはあり得ない。
ただただ残りの9人が無難に4周の予選を走り切ってくれることを誰もが願った。
9人の中で最速のスピードを記録したのは元・F1ドライバーのセバスチャン・ブルデ—だった。今週になってようやくシボレー・エンジンを手にして滑り込む事が出来たドライバーのひとりだ。ブルデーのスピードは223.760マイル/hでこれは前日クォリファイ組と比べても15位に匹敵するまずまずのスピードだ。しかし、伝統のルールによって彼に与えられるのは9列目イン側25番手グリッドとなる。
非力なロータス・エンジンに手を焼いていたジャン・アレジも予選の4周回を無事にこなした。だが、アレジのスピードは210.094マイル/hという残念なものだった。
もちろん最後尾33位からの決勝スタートとなる。
このスピードはブービー32位のシモーナ・デ・シルベストロよりも4マイル/h以上も遅く、
PPのブリスコーからは16マイル/h以上も離される結果となった。
予選の合間を縫って既に決勝進出を果たしたドライバーは練習走行を行った。各ドライバーの目的はもっぱら決勝レースに向けたマシン作りだ。特に混戦でのタービュランス(気流の乱れ)の中で速いセッティングを見つけることが重要なのだ。
佐藤琢磨の悩みは更に深いものへとなっていった。ドラフティング(風よけ)を使ってもシボレー・エンジン勢について行けないのだ。
ダウンフォースを削ったマシンはシボレー車の後ろではコントロールの非常に難しい車になってしまっていた。33台が一斉にスタートする決勝レースはこのままでは苦戦が予想される。琢磨に残された時間は金曜日の最終練習走行だけになった。