【池原照雄の単眼複眼】ホンダ、N BOX で軽反攻のノロシ

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ホンダNボックスと峯川役員
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◆2万7000台は中身も伴った受注に

ホンダが軽自動車のテコ入れ第1弾として12月16日に発売した『N BOX』が、好調な滑り出しとなった。この春と秋には「N」シリーズの第2、第3弾を投入する。2012年の軽販売は「11年比倍増の28万台を目指す」(国内営業担当の峯川尚常務執行役員)方針だが、その達成はまだ予断を許さず、今後の投入モデルがカギを握る。

N BOXの受注は、発売後およそ1か月で販売計画の2.3倍に相当する2万7000台となった。その半数を若年層向けにデザインを振り、価格も高めの「カスタム」が占めた。ビジネスの面でも、また若年層を惹き寄せたいというブランドイメージの面でも中身の伴った受注となっている。

N BOXは、ダイハツの『タント』が開拓し、スズキが『パレット』で追随した“スーパーハイトワゴン”というカテゴリーであり、ホンダには欠落していた分野だ。真似の嫌いなホンダだが、シェアが4位にまで後退した軽事業を立て直すには、不可欠のカテゴリーだった。


◆ホンダの軽ではほぼ半世紀ぶりのDOHCエンジン

もっとも、エンジンルームをコンパクトにした新プラットホーム(車台)で、軽最大の室内空間を確保したことや、タントに比べて上下に厚みと安定感のあるボディスタイルとしたことなど独自性も十分発揮している。新開発のDOHCエンジンは、軽としては大きい車体にも拘わらず、低中速域でのキビキビした走りで応える。

軽用にDOHCエンジンを開発したのは、同社初の4輪車であった1963年(昭和38年)発売の軽トラック『T360』以来となった。本田宗一郎氏が開発に関与したこのエンジンは2バルブだったので、軽用の4バルブDOHCエンジンは初めてとなる。軽大手が20年ほど前からやってきたことを、“エンジンのホンダ”がやっと手掛けたのだ。

N BOXは、長年の冷や飯に甘んじていた軽の歴史に終止符を打つべく、開発責任者にF1エンジンや米国向け車両の開発などに携わった本田技術研究所の経験豊かな主任研究員を起用した。軽の開発は初めてという開発責任者は、綿密な市場調査やクリニックと呼ぶユーザーを交えた検討会など、市場との対話を重ねた。


◆ライバルを知ろうとしない?!

初期受注の好調さは、ホンダの軽に期待する層が予想以上に厚く、N BOXがその期待に応える商品力を備えたということだ。ただ、燃費性能などは激しい競争が続く。N BOXは発表直前までは、「クラストップレベル」の燃費だったが、「イーステクノロジー」の展開によって、タントはさらに上を行く改良を施した。

N BOXの開発担当者からは「情報不足だった」という反省の弁も聞かれる。実はここらに「独創性」を重んじるホンダの最近の課題が透けて見える。これは事務部門でもそうだが、一般にホンダの人は、他社の動向に余り関心を示そうとしない。「A社はこんなことをやっている」と言っても、「ふーん、そうですか」で終わってしまうことが多い。

軽でいえば、シェア8%で4位の企業が3割以上のトップメーカーに関心を寄せないのであれば奇異なことであり、学ぶ姿勢の問題だ。「模倣は創造の始まり」という格言もある。ホンダが重視してきた「よそが造らないものを造る」には、ライバルを知ることが必須となる。そうした視点でも後続のNシリーズに注目したい。
《池原照雄》

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